【自己血の採取】

【自己血の採取】

 自分の血液を保存もしくは手術中に回収して輸血する自己血輸血が、その安全性の高さから広く行われております。 本院輸血部では、貯血式自己血輸血のための自己血採取を外来で行っています。これは手術の前にあらかじめ自分の血液を採取・保存しておき、これを手術時に戻す方法です。

自己血の採取は広く様々な人が受けることが可能ですが、一応下記のような基準を設けてあります。

自己血採取基準 (日本輸血学会:貯血式自己血輸血療法のガイドラインに準拠)

  • 年齢:
    とくに年齢制限はありませんが、10歳以下の小児、70歳以上の方に関しましてはお体の具合や体重などと合わせて採取できるかどうか判断しております。
  • 体重:
    40kg以上あることが望ましいですが、40kg未満の方でも200ml採取での貯血は可能です。
  • 血液検査所見:
    採血前に血色素量(Hb)は11g/dl 以上、ヘマトクリット(Ht)値は33%以上であることが望ましいです。
  • 血圧:
    最高血圧は170mmHg以下、90mmHg以上を一応の基準としています。

  • 全身所見:
    循環器の病気を持っている方で、非常に軽い労作で心不全症状が出現する場合、あるいは不安定狭心症、感染を伴う場合は、原則として自己血採取の適応から除外しております。

  • 採血可能な静脈:
    通常の採血より太目の針を使い血液を採取するため、ある程度の太さの血管があることが必要になります。

  • 採取前検査:
    採取する前に、ABO式およびRho(D)因子、梅毒血清反応、HBs抗原検査、HCV抗体検査等必要な諸検査を行っておく必要があります。
以上を自己血採取の基準としております。

*自己血輸血が適切かどうかは、病気の種類や病状によっても異なりますので主治医の先生と良く相談されて自己血輸血を行うかどうかお決め下さい。

*貧血気味の方や短期間に大量の貯血が必要な場合には、赤血球コロニー刺激因子であるエリスロポエチンという薬(注射剤)を使用することも可能です。

エリスロポエチンの使用基準
  1. 自己血輸血の基準を満たしていること
  2. 貯血量が800ml以上であり1週間以上の貯血期間を予定していること
  3. 貯血開始前のヘモグロビン(Hb)値が14g/dl以下であること

ただし、大変高価な薬ですので使用する場合は必要性を良く考えてから使用する必要があります。

【自己血採取の外来日】

 本院の外来での自己血採取は、下記の時間、場所で行っています。
  採取日時:毎週 月曜日と水曜日の午後2時から4時まで
  1日の採取人数:6名まで
  場 所:総合外来
 全て予約制です。主治医の先生から予約を入れて頂く必要があります。手術日と採取する量によって採取日程を決めておく必要がありから主治医の先生と良くご相談下さい。

*採取時は、昼食を済ませてからおいで下さい。空腹時に採取しますと気分が悪くなることがあります。
*予約を変更もしくは中止したい時には、まず主治医の先生にご相談下さい。

 
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