医療情報部

最新のお知らせ

日本医療情報学会 九州・沖縄支部会 2024年度春期研究会の開催について(随時更新予定)

開催日:2024年6月1日
開催場所:佐賀大学鍋島キャンパス 臨床大講堂

概要

沿革

医療情報部は1980年に病院開設準備室内に発足した医療情報処理係が前身となり、翌年の開院以降、診療記録センターと協力しながら医療の進歩と診療の質の向上を目指して、全国病院医療情報システムのレベルアップを主導してきました。 その後医療情報室を経て2000年に医療情報部が設置されました。

医療情報管理体制の整備

1981年から1987年にかけての第一期では、医事会計システムの導入と充実、1997年までの第二期には退院時サマリの光ディスクへのイメージ化に始まり、オーダリングシステムの拡充と部門システムの導入が医療情報室によって進められました。 現状の電子カルテシステムは2002年からの第三期に導入され、国策としての医療のIT化や国立大学の法人化にともなう業務効率化の要請を受けて推進されました。具体的には、このプロジェクトのために新設された医療情報部を中核として、 診療支援や部門システムとの連携強化・物流システムの導入・経営分析ソフトの導入の後、退院時サマリの電子化を踏まえて従来の紙カルテから電子カルテシステムへとほぼ完全に移行しました。この完全移行は全国国立大学附属病院の中でも 先進的な取り組みとして、全国的に高い評価を得ました。特に医療情報の共有化によるチーム医療の促進とクリティカルパスを用いた医療の標準化、医療安全、経営分析において成果を上げています。

現在の取り組み

電子カルテシステムはその後3回のシステム更新、機能強化、部門システムのレベルアップを継続し、現在の20以上の部門システムを統合した病院医療情報システムとして、全国大学病院との医療情報連携、地域医療連携促進など多様な医療情報管理に関する環境に対応してきています。 今後の医療情報部のミッションはICTの積極的活用と基盤整備、医療情報を含む個人のビッグデータの統合と利活用、個人健康情報(PHR)のシステム構築という新しい活動目標が要求されています。当院においても平成23年から開始された全国10の拠点病院による「医療情報データベース基盤整備事業 (MID-NET)」に参加し、 400万人規模の医療情報の統合データベースの構築に寄与しており、医療情報の活用に関する整備において全国に先駆けて新しい取り組みを実践してきました。また災害時でも患者さんに対して医療を継続するための国立大学病院BCP(business continuity plan)の整備や地域医療に関しても「ピカピカリンク」や「QQ-NETさが」などの取り組みにも参加しており、「ピカピカリンク」に関しては、令和4年度内に開示項目の拡大を予定しています。このほか、当院メディカルサポートセンターと連携し県内の診療所などからオンラインで当院の診療予約が可能となる「HumanBridgeシステム」の導入推進や、入院患者向けWi-Fi環境の整備等を進めており、今後さらに佐賀から九州へとつなぐ医療情報連携の体制づくりを模索しています。また、医療費の高騰による医療経済の破綻を防ぐためには、病院経営の指標としての診療損益の評価と無駄のない診療行為の実践、ICTによる効率的な医療の実践も今後の課題です。当院の医療情報部は全国でも最少人員で活動している施設に分類されますが、 診療科と連携しながら最新の医療情報体制の構築を目指して活動しています。