令和6年度(2024年度)佐賀大学医学部附属病院関連初期臨床研修プログラムの概要

1.研修プログラムの特色

 佐賀大学医学部附属病院関連初期臨床研修プログラムは、佐賀大学医学部附属病院での研修を中心に、選択期間等で適宜、協力型研修病院等の研修を組み合わせて、佐賀県内を中心に特色のある研修をすることが可能である。また、希望者のニーズにきめ細かに対応する目的で、いわゆる「たすき掛け」プログラムを細分化し、柔軟性を持たせている。
 内科、救急、地域医療、外科、小児科、産婦人科、精神科の7科を必修とする。内科、外科は1年目に、救急は1・2年目に、地域医療は2年目に行うことを基本とする。小児科、産婦人科、精神科に関しては、1年目の後半(10月以降)であれば、ローテート可能である。また、同様に、選択科目に関しても1年目の後半から研修可能とした。ローテートの期間の目安が週単位で示されているが、他の職種や他の施設の人事異動等との兼ね合いから、4週を1か月、8週を2か月とする。
 内科は、「膠原病・リウマチ」、「循環器」、「脳神経」、「腎臓」、「血液・腫瘍」、「呼吸器」、「消化器」、「肝臓・糖尿病・内分泌」、「総合診療部」の9診療科より6か月分を選び1年目に研修する。1診療科ごとの研修期間は1から3か月の間で研修医の希望により選択できる。
 救急は、1年目に2か月、2年目に1か月の計3か月を基本とする。「2か月以上の麻酔科研修」を「救急研修1か月分」にカウントすることも可能である。
 外科系は、基本的な外科手技の習得と全身麻酔での手術及びその周術期の全身管理が行える「一般・消化器外科」、「心臓血管外科」、「呼吸器外科」、「脳神経外科」、「整形外科」、「形成外科」、「泌尿器科」、「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」の8診療科を2か月以上研修する。
 小児科、産婦人科、精神科は、研修開始6か月以降(1年目の10~3月および2年目)に、それぞれ1か月(以上)研修する。1診療科2か月以上研修することを推奨する。
 その他の選択科目に関しては、研修開始6か月以降(1年目の10~3月および2年目)に研修を行う。1診療科あたり1か月からの研修が可能である。
 地域医療に関しては、2年目に1か月以上、研修協力病院または研修協力施設で、一般外来の研修を中心に行い、在宅研修を含める。
 「一般外来研修」が必須となったことに伴い、全員が総合診療部を1か月以上ローテートすることを原則とする。総合診療部研修は、1年目の6か月の内科研修に含めることも、内科研修と別に選択することも可能である。
 本年度新設する地域医療・総合診療重点プログラムでは、地域医療研修を2年次に計3か月(複数の医療機関を選択可能)、総合診療部研修を1年・2年次に計2か月以上研修する。
 その他、予防医学や血液事業への理解を深める目的で、地域医療研修の期間内に佐賀赤十字血液センター、公益財団法人佐賀県健康づくり財団、一般社団法人佐賀県産業医学協会などで1~2日程度の研修を行う。
 研修医は、感染制御チーム、緩和ケアチーム、栄養サポートチームなどの職種横断的な診療班の活動には積極的に参加することとする。また、医療安全・院内感染対策に関する研修会を年2回以上受講することとする。
 臨床病理検討会(CPC)には全員が最低1回は参加することとする。
 「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針」に沿った緩和ケア研修会を研修修了までに受講することを強く推奨する。
 その他、予防接種等を含む予防医療、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)、虐待への対応、社会復帰支援など基本的な診療において必要な分野・領域等に関すること、並びに、発達障害等の児童・思春期精神科領域、薬剤耐性菌、ゲノム医療等、社会的要請の強い分野・領域等に関することに関しては、オリエンテーションの期間を含め研修期間中に適宜研修を行う。
 到達目標の達成度評価にはオンライン研修評価システム(E-POrtfolio of Clinical training、EPOC2)を使用する。

2.プログラム一覧とプログラム責任者名(プログラムの詳細は後掲)

プログラム名 人数(プログラム責任者)
佐賀大学・好生館たすきがけプログラム(好生館→佐賀大学型) 6名(安西慶三)
佐賀大学・好生館たすきがけプログラム(佐賀大学→好生館型) 8名*(安西慶三)
*マッチングでの定員6名にマッチング対象外の自治医科大学卒業予定者2名を加えて計8名とする
佐賀大学・聖マリア病院/高木病院たすきがけプログラム 2名(安西慶三)
佐賀大学・NHO佐賀病院たすきがけプログラム 2名(江村正)
佐賀大学・唐津赤十字病院たすきがけプログラム 2名(吉田和代)
佐賀大学・NHO嬉野医療センターたすきがけプログラム 2名(吉田和代)
西部・南部・地域連携型プログラム 2名(江村正)
オール佐賀プログラム 16名(吉田和代、安西慶三)
小児科特別プログラム 2名(尾形善康、江村正)
産科特別プログラム 2名(江村正、横山正俊)
地域医療・総合診療重点プログラム 2名(吉田和代)
46名
  • 括弧内はプログラム責任者
  • 佐賀大学・好生館たすきがけプログラム(佐賀大学→好生館型)の人数は自治医大卒業予定者数(マッチング外)により変動あり。
  • 佐賀大学・聖マリア病院/高木病院たすきがけプログラム、佐賀大学・唐津赤十字病院たすきがけプログラム、佐賀大学・NHO嬉野医療センタ―たすきがけプログラムに関しては、協力型病院での研修は1年目、2年目を問わない。
  • 佐賀大学・NHO佐賀病院たすきがけプログラムに関しては佐賀病院での研修は2年目研修医とする。必修科目の内科、救急、外科、精神科、地域医療は佐賀大学病院在籍中に行う。
  • 西部・南部・地域連携型プログラムは、伊万里有田共立病院での研修は2年目、織田病院での研修は1年目とする。

3.代表的なスケジュール

ローテート例1

(救急を1年目に2か月、2年目に1か月。内科研修以外に総合診療部研修を1か月)

1年目

内科
6月
救急
2月
外科
2月
小児
1月
産婦
1月

2年目

地域
1月
精神
1月
救急
1月
総合
1月
選択
8月

ローテート例2

(救急を1年目に2か月、2年目に麻酔科を1か月。内科研修に総合診療部研修を1か月含む)

1年目

内科
6月(総合1月含む)
救急
2月
外科
2月
選択
2月

2年目

選択
6月
地域
1月
小児
1月
産婦
1月
精神
1月
麻酔
2月

4.研修医の指導体制・臨床研修の管理運営体制(後掲、規約)

研修プログラムの作成,研修プログラム相互間の調整,研修医の管理,研修医の採用・中断・修了の評価等,臨床研修に関わる実務は,佐賀大学医学部附属病院に設置されている「卒後臨床研修センター」および「卒後研修委員会」を中心に行い,最終統括管理は「研修管理委員会」で行う。

5.年次報告

【佐賀大学】年次報告書