初期研修プログラム 科名:内科(肝臓・糖尿病・内分泌内科)

指導者

指導責任者
安西慶三
指導医代表者
桑代卓也
指導医講習会修了者
安西慶三,高橋宏和,磯田広史,山﨑有菜

必修研修(内科共通)

概要

1年目は全員1~3か月毎に1つの診療科で研修する。常時4~8床の受持医となり,直接の指導医(助教または医員)の指導を受ける。原則として病棟に専念して研修する。患者およびその家族とのコミュニケーションに留意し,疾患に対する理解,検査や治療に対する協力を得ることを心がける。他の医療機関の協力や他科医師からのコンサルテーションを得られるように努力し,患者のケアを効果的に進めることができるようにならなければならない。

研修成果

ひとりの患者を全人的に診ることができる視野を備えるために,一般臨床医の基本となる内科全般にわたる知識と技能を身に付ける。

研修目標

  • 肝疾患,糖尿病,内分泌疾患の診断に必要な病歴聴取ができる。
  • 肝疾患特有の身体所見(黄疸,肝脾腫,色素沈着,くも状血管腫,手掌紅斑,腹壁静脈怒脹,腹水など)の診察ができる。
  • 腹部超音波検査の基本操作ができ,腹部CT,MRI,血管造影の適応が判断できる。
  • 病態に応じて肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーの選択ができる。
  • 腹水穿刺の適応を判断し,安全に実施することができる。
  • 肝疾患の病態別に適切な栄養指導ができる。
  • 糖尿病の診断,検査,治療を理解し実行できる。
  • 糖尿病血管合併症の診断,検査,治療を理解し実行できる。
  • 内分泌疾患の診断,検査,治療を理解し実行できる。
  • 糖尿病の疫学,メガトライアルを通じて Evidence-Based Diabetes Care を理解できる。
  • 内分泌機能検査を選択・施行・判定できる。
  • 甲状腺エコーなどの手技を修得できる。
  • 脂質異常症,高尿酸血症の病型診断ができ,適切な食事療法,運動療法,薬物療法が選択できる。
  • 糖尿病,内分泌疾患の緊急症に対応できる。

教育関連行事(スケジュール)

午前 放射線カンファレンス
肝疾患カンファレンス
*糖尿病教室(第1・3週) *外来糖尿病腎症カンファ(1週)
*糖尿病教室(第1・3週)
午後 *糖尿病教室(第1・3週)

研修医教育レクチャー
*糖尿病教室(第1・3週) *糖尿病教室(第1・3週)
糖尿病・内分泌カンファレンス

* 糖尿病教室,肝臓病教室は必須ではなく,希望時に参加できる。

肝臓・糖尿病・内分泌 火曜日 13時~15時
研修医カンファレンス 木曜日 16時~18時
肝胆膵領域,病理カンファレンス 火曜日 8時~9時30分
糖尿病・内分泌カンファレンス 木曜日 16時~17時

選択研修(肝臓病診療)

研修の概要

肝機能異常は頻繁に遭遇する病態であり,その対処法を知っておくことは重要である。初期研修の2年目に,2か月間で肝臓病診療の基本を習得する。

研修成果

肝臓病の患者の病態に応じた検査・治療方針を決定し,実践できるようになる。

研修目標

  1. 肝臓病患者の肝機能検査を正しく評価できる。
  2. 肝炎ウイルスマーカーが正しく選択・評価できる。
  3. 急性胆のう炎,胆管炎の病態,治療について理解する。
  4. 基本的な腹部超音波検査ができる。
  5. CT,MRI,血管造影などの所見を判読できる。
  6. 非代償性肝硬変の栄養管理ができる。
  7. 肝癌の治療方針を決定するアルゴリズムを理解する。
  8. 胆膵悪性腫瘍に対する集学的治療について理解する。
  9. 急性肝炎の原因検索ができ,対処法を実践することができる。
  10. 代謝性肝疾患(非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)など)の診断,検査,治療を理解し,実行できる。

教育関連行事(スケジュール)

午前 超音波検査(外来) 8:00~9:30 肝腫瘍・病理カンファ 超音波検査(外来) 超音波検査(外来) 上部消化管内視鏡検査
午後 ラジオ波治療または腹腔鏡検査 13:00~15:00 病棟カンファレンスおよび回診 ラジオ波治療または腹腔鏡検査

選択研修(糖尿病・内分泌診療)

研修の概要

初期研修の2年目に,1か月~3か月間で糖尿病・内分泌診療の基本を習得する。

研修成果

糖尿病患者の病期・病態に応じた治療方針を決定し,加療できるようになる。

研修目標

  1. 糖尿病患者に対する患者教育ができるようになる。
  2. インスリン自己注射・自己血糖測定の指導ができる。
  3. 1型糖尿病患者の血糖管理ができる。
  4. 糖尿病ケトアシドーシス・高浸透圧性昏睡の管理ができる。
  5. 妊娠を伴う糖尿病患者の管理ができる。
  6. 手術前後における血糖管理ができる。
  7. 高度の合併症(増殖網膜症・腎不全・高度の神経障害・重度の動脈硬化・足病変)を伴う症例の管理ができる。
  8. 内分泌疾患の診断,検査,治療を理解し実行できる。
  9. 内分泌機能検査を選択・施術・判定できる。
  10. 甲状腺エコーなどの手技を習得できる。
  11. 糖尿病・内分泌疾患の緊急症に対応できる。
  12. 多職種によるチーム医療を実践できる。

教育関連行事(スケジュール)

午前 外来 外来 外来 外来 外来
午後 Ⅰ型糖尿病外来 妊娠糖尿病外来,
甲状腺エコー検査,
甲状腺外来
15:00~ 回診
16:00~17:30 病棟カンファレンス

第1,第3火曜日・水曜日・木曜日
9:30~10:30 糖尿病教室
14:30~15:30 糖尿病教室