初期研修プログラム 科名:精神神経科

指導者

指導責任者
溝口義人
指導医代表者
國武 裕
指導医講習会修了者
國武 裕,立石 洋,村川 徹

必修研修

概要

一度にローテート可能な研修医の数は4名まで。

  1. 精神科必修研修は1か月以上(2か月以上を推奨)である。担当医として責任を持って3名程度当科入院患者を受け持つ。各々の入院患者には,担当医となる研修医の他に,研修医の日常的なサポートを行う医員(病棟医),研修医の教育に対して責任を負う教官(指導医)の3名1組の医師団が担当する。受け持つ入院患者は可能な限り,認知症,うつ病,統合失調症,身体表現性障害・ストレス関連障害が含まれるようにする。
  2. 月,水,金曜日の当科専門外来開設日には新患の予診を行う。また指導医の外来診察を陪診する。
  3. 毎日開催される病棟ミーティング,週1回開催される入院カンファレンス,教授回診,レジデントカンファレンス,脳波判読会,リエゾン・緩和ケアカンファレンス,向精神薬研究会,病棟レクリエーション,症例検討会,抄読会に参加する。レジデントカンファレンスおよびリエゾン・緩和ケアカンファレンスでは輪読会をあわせて実施する。
  4. 2か月に8回開催されるクルズス(講義)に参加する。テーマは以下の通りである。
    1. 初回面接・精神症状の評価
    2. 精神保健福祉法概説
    3. 向精神薬概説
    4. リエゾン精神医学:器質性・症状性精神障害
    5. 脳波検査・てんかん概説
    6. 気分障害
    7. 統合失調症
    8. 神経症・人格障害
    9. 物質関連障害
    10. 児童思春期精神医学概説
    11. 精神科模擬面接最終試験
    12. 心理療法概説

研修成果

研修医が将来医療・保健の現場において患者に貢献し,医学の発展に寄与できるようになるため,研修修了時に以下の3項目を達成することを目標とする。

  1. 精神科領域の一般的知識を習得する。
  2. 精神科領域で高頻度にみられる臨床的問題を解決するために必要な基本的診療技能を修得する。
  3. 臨床医として必要な基本的態度・習慣を身につける。

研修目標

知識
  1. 認知症について診断法,治療法,予後を述べることができる。
  2. 気分障害について診断法,治療法,予後を述べることができる。
  3. 統合失調症について診断法,治療法,予後を述べることができる。
  4. 身体表現性障害・ストレス関連障害について診断法,治療法,予後を述べることができる。
  5. 各種向精神薬の適応,副作用について述べることができる。
技能

精神科領域における患者の診療において,以下の事項を適切に実行できる。

  1. 患者の人間としての尊厳性を尊重し,患者のニーズを把握できる。
  2. 医療を行うために,患者・家族にわかりやすく説明ができる。
  3. 守秘義務を遵守し,プライバシーへの配慮ができる。
  4. 医師以外のスタッフと円滑な人間関係を持ち,チーム医療を推進できる。
  5. 患者の転院,転棟に当たり,適切な連携がとれる。
  6. 面接において,患者に対して支持的態度と共感的理解ができる。
  7. 患者や家族から病歴などの情報を的確に聴取できる。
  8. 精神状態の評価ができる。
  9. 初歩的な支持的精神療法を実施できる。
  10. 初期的な精神科薬物療法を実施できる。
  11. 身体科専門医の手に委ねるべき状況を的確に判断し,コンサルテーションを依頼できる。
  12. 精神保健福祉法,その他の医療に関係した法規について説明でき,必要に応じて患者を援助できる。

教育関連行事(スケジュール)

後掲

選択研修

概要

  1. 精神科選択研修コースの期間は何か月でも可能。担当医として責任を持って4名程度当科入院患者を受け持つ。各々の入院患者には,担当医となる研修医の他に,研修医の日常的なサポートを行う医員(病棟医),研修医の教育に対して責任を負う教官(指導医)の3名1組の医師団が担当する。受け持つ入院患者は可能な限り,多彩な精神障害が含まれるようにする。
  2. 月,水,金曜日の当科専門外来開設日には新患の予診を行う。また指導医の外来診察を陪診する。
  3. 他科からのコンサルテーションがある時は,予診を行った後、指導医の本診を陪審する。また当院緩和ケアチーム(専従の当科医師,麻酔科医師,看護師の3名で構成)の活動に参加する。
  4. 毎日開催される病棟ミーティング,週1回開催される入院カンファレンス,教授回診,レジデントカンファレンス,脳波判読会,リエゾン・緩和ケアカンファレンス,向精神薬研究会,病棟レクリエーション,症例検討会,抄読会に参加する。レジデントカンファレンスおよびリエゾン・緩和ケアカンファレンスでは輪読会をあわせて実施する。

研修成果

研修医が将来精神医療・精神保健の現場において患者に貢献し,精神医学の発展に寄与できるようになるため,研修修了時に以下の2項目を達成することを目標とする。

  1. 精神科領域の専門的知識の一部を習得する。
  2. 精神科領域における種々の臨床的問題を解決するために必要な基本的診療技能を修得する。

研修成果

知識

以下に掲げる精神科領域の各分野における主要な精神障害について診断法,治療法,予後を述べることができる。

  1. 認知症
  2. 気分障害
  3. 統合失調症
  4. 身体表現性障害・ストレス関連障害
  5. 器質性精神障害
  6. 物質関連障害(特にアルコール依存症)
  7. 不安障害
技能

精神科領域における患者の診療において,以下の事項を適切に実行できる。

  1. 面接技法(質問法,傾聴法,応答法など)を適切に実施できる。
  2. 神経心理学的検査(MMSE,WAIS-R,WCST,WISC,Kohs 立方体検査,バウムテスト)を必要に応じて自ら選択・実施し,結果を正しく解釈できる。
  3. 専門的検査(脳波検査,頭部 CT 検査,頭部 MRI 検査,脳血流シンチグラム検査,脳脊髄液穿刺検査)について必要性を判断し,適応を決定して結果を正しく解釈できる。
  4. 評価に基づき適切な精神科治療計画を立案できる。
  5. 精神科領域における個人精神療法について必要性を判断し,適応を決定し,自ら実施でき, 結果を正しく評価できる。
  6. 精神科領域における精神科薬物療法について必要性を判断し,適応を決定し,自ら実施でき,結果を正しく評価できる。
  7. 精神科治療計画を自ら実行,または適切に上級医に依頼できる。
  8. 自殺の可能性を判断できる。
  9. 予後を予測して,中長期的精神科診療計画を立案できる。
  10. 精神障害年金制度,精神障害者手帳制度,精神科通院費公費負担制度について説明でき, 必要に応じて患者を援助できる。
9:00 専門外来(予診・陪審) 精神神経科病棟 専門外来(予診・陪審) 入院カンファレンス
リエゾンカンファレンス
教授回診,医局会
専門外来(予診・陪審)
10:00
11:00
12:00 向精神薬研究会
12:30 症例検討会
13:00 病棟ミーティング 病棟ミーティング 病棟ミーティング 病棟ミーティング 病棟ミーティング
14:00 精神神経科病棟 病棟レクリエーション 精神神経科病棟
15:00 精神神経科病棟
16:00 クルズス(脳波検討会) クルズス