初期研修プログラム 科名:病理診断科

指導者

指導責任者
青木茂久
指導医代表者
甲斐敬太
指導医講習会修了者
青木茂久,甲斐敬太

選択研修

研修の概要

診療の礎となる病理診断科の業務(組織診断,細胞診断,病理解剖)を実際に経験し,幅広く奥深い病理学/病理診断の知識を研修期間中に可能な限り習得する。これらの業務を初期研修で経験することにより,病理医を志す者は適性判断の材料とすることができる。また,他の診療科を志す者にとっても,適切な検体の取り扱いや,病理レポートの解釈など,その後の診療に役立つ知識を習得することができる。

研修成果

提出検体の切り出しを行うことで,臨床情報を適切に理解する能力と,標本の肉眼観察能力を身に着けることができる。標本を検鏡することで,検鏡力と考察力を涵養し,正確な病理診断に必要な免疫染色や特殊染色,あるいは文献的知識の取捨選択を行う能力を養うことができる。病理診断レポートを実際に作成することで,取扱い規約や疾患分類に関する理解を深めるとともに,文章力を養うことができる。病理解剖業務あるいは病理解剖所見会(CPC)を通じて,病理解剖に関する知識を深め,その意義と重要性について理解できる。

研修目標

  1. 病理検体の切り出しを適切に行うことができる。
  2. HE標本を検鏡し,所見を適切に読み取ることができる。また,診断に必要な免疫染色や特殊染色を適切に選択することができる。
  3. 病理診断報告書を適切に作成することができる。また,それに必要な知見を書籍や文献から学習し、報告書に反映させることができる。
  4. 病理組織像や病理診断の過程について,適切かつ簡潔にプレゼンテーションを行うことができる。
  5. 機会があれば病理解剖を経験する。解剖の機会がない場合でも,病理解剖所見会に出席し,積極的に症例検討に参加する。
  6. 指導医と共に術中迅速病理診断を経験し,凍結標本の作成方法と所見の取り方について理解する。
  7. 病理に纏わる英文学術論文を読解し,抄読会で簡潔かつ明快に説明することができる。
  8. 細胞診の症例検討会に出席し,細胞診の意義と細胞所見の取り方について理解する。
  9. 病理診断・細胞診断における臨床検査技師の役割について理解し,良好な関係を構築することができる。
  10. がんゲノム医療における病理医の役割について理解し,適切な検体保存について学習する。エキスパートパネルに出席して症例検討に参加する。

教育関連行事(スケジュール)

毎日の診断カンファレンスや病理解剖所見会(CPC,毎週火曜17時,解剖所見会室)に参加し,病理診断に必要な知識を可能な限り吸収する。併せてより良いプレゼンテーションの方法を学ぶ。

午前 診断カンファレンス 肝臓カンファレンス
診断カンファレンス
抄読会
診断カンファレンス
診断カンファレンス 診断カンファレンス
午後 診断報告書作成
呼吸器カンファレンス
診断報告書作成
CPC
診断報告書作成
婦人科カンファレンス
診断報告書作成 診断報告書作成
  • 切り出しがあてられた場合は,指導医と共に切り出し業務を行う
  • 病理解剖が出た場合は,病理解剖に参加(あるいは見学)する
  • ローテート期間中,1 回抄読会を担当し,1 編の病理に纏わる英文学術論文を説明する
  • ローテート期間中に日本病理学会九州沖縄支部主催のスライドコンファレンスの学内検討会が開催される場合,事前に症例を確認し,検討会での議論に参加する