初期研修プログラム 科名:感染制御部

指導者

指導責任者
青木洋介(日本内科学会総合内科専門医・指導医,日本感染症学会専門医・指導医, 日本化学療法学会抗菌化学療法指導医,日本呼吸器学会専門医・指導医,インフェクションコントロールドクター)
指導医代表者
的野多加志(日本内科学会総合内科専門医・指導医,日本感染症学会専門医・指導医,日本臨床微生物学会認定医・評議員,米国内科学会上級会員(FACP),国際旅行医学会認定:Certificate in Travel Health(ISTM),日本渡航医学会認定医療職,インフェクションコントロールドクター)
指導医講習会修了者
岡祐介

研修

研修の概要

院内全診療科を対象とした感染症コンサルテーションを通じて,一般感染症の診断および抗菌薬治療について研修すると同時に,入院患者における発熱の鑑別など,系統的内科診療に基づくcognitive skillの向上を目指す。また,日々の診療および耐性菌サーベイランス業務に関わることにより感染対策の基本的事項について研修する。
研修期間は何ヶ月でも可能とする。
卒後1年次、2年次のいずれの研修医も対象とする。

研修成果

頻度の高い市中感染症(入院を要する中等症以上)と院内感染症についての診断・治療に関する基本的能力を習得することを目標とする。また,感染対策がなぜ必要かを認識し,その基本的事項について理解し,対策を講じることができる能力の習得を目標とする。

研修目標

微生物と抗菌薬
  1. グラム染色を行い,鏡検所見を正しく理解できる。
  2. 臨床的に頻度の高い感染症起炎菌を感染臓器別に列挙することができる。
  3. 代表的なグラム陽性菌およびグラム陰性菌を列挙し,各病原細菌に対応する治療抗菌薬を選択(列挙)することができる。
感染症診療
  1. 基本的身体診察を行い,その所見について述べることができる。
  2. 患者の全身的プロブレムを把握することができる。
  3. 感染臓器(または感染源)を絞り込み,起炎菌を想定することができる。
  4. 適切な empiric therapy とtargeted therapy を行うことができる。
  5. 菌血症患者について迅速な対応をとることができる。
  6. 入院患者における感染症以外の発熱の原因を,列挙することができる。
  7. コンサルタント医に求められる主治医への対応について述べることができる。
院内感染対策
  1. 院内感染の起こり得る背景因子について述べることができる。
  2. 標準予防策について述べることができる。
  3. 感染経路別予防策と代表的感染症について述べることができる。
  4. 手指消毒を正しく行い,co-medical staff に指導することができる。

教育関連スケジュール(週間)

午前 08:30 新患回診 10:00 Conferenceおよび回診 08:30 新患回診 08:30 新患回診 08:00 勉強会,その後新患回診
午後 15:00 耐性菌および抗菌薬院内サーベイランス 15:00 ICT round
17:00 企画会議
Case conference(月間)
  • 血液培養陽性の院内全患者およびコンサルトを受けた患者について primary consultant としての診療を行い,assessment & plan に到った段階で指導医と discussion を行う。
  • 新規コンサルテーション患者のteaching roundは月~金までの毎朝行う。週に一回(火曜日午前中)は担当患者の問題点についてconference & roundを行う。
  • 金曜日8:00より感染症診療に関する抄読会に参加する(各論的知識の習得)。
  • 月曜日15:00からのMRSA chart surveillance および抗菌薬適正使用カンファに参加する。
  • 火曜日15:00からのICTround に参加する。
  • 毎月第2水曜日17:00よりICT 連絡会に参加する(感染対策の企画・立案について研修)。