初期研修プログラム 科名:腫瘍内科

指導者

プログラム責任者
木村晋也
指導医代表者
勝屋弘雄
指導医講習会修了者
木村晋也

選択研修

研修の概要

悪性新生物はわが国における死亡原因の第1位であり,2人に1人は一生涯の間にがんに罹患する時代である。がん薬物療法の進歩は著しく,がん医療に携わるための医療情報が複雑化すると共に臨床腫瘍医にかかる期待は高まっている。一方で,がん医療を専門としない医師にとっては,がん患者と対峙する機会が少なくないにも関わらずトレーニングを受ける機会は限られているのが現状である。本研修においては,がん患者に対する病名告知,治療内容についてのインフォームドコンセントを指導医と共に行い,研修期間を通じて担当患者との信頼関係を築き上げながら1~4か月間でがん薬物療法(主に消化器がん)の基本を習得する。

研修成果

がん薬物療法の目的や役割について学習し,基本的なマネジメント能力を身につける

研修目標

  1. 臨床腫瘍医に必要な基本的知識と診断手技を学習する
  2. がん患者との基本的コミュニケーションスキルを身につける
  3. 分子標的薬や抗がん剤使用の基本理念,有害事象とその対処方法を知る
  4. がん救急(イレウス,高カルシウム血症,深部静脈血栓症等)を理解する
  5. がん性疼痛評価を実施し,適切な疼痛緩和薬の処方設計ができる
  6. 抗腫瘍効果判定ができる
  7. がん患者に対する支持療法を実践できる
  8. 臨床的研究活動・学会活動・教育関連行事への参加・発表
  9. 定期キャンサーボードにおけるディスカッションへ参加する
  10. がん緩和ケア医療の概念を理解し,基本技能を取得する

教育関連行事(スケジュール)

月曜日~金曜日 午前 外来診察・化学療法室
午後 病棟
水曜日 8:00~9:00 腫瘍カンファレンス 病棟回診
月1回 定期キャンサーボード
不定期:臨時キャンサーボード
  • 腫瘍内科外来初診の患者の問診を担当し,検査計画,治療プランの立案を行い,指導医の外来診療補助を行う
  • 病棟・外来患者のインフォームドコンセントに同席する
  • 新規治療導入を入院で行う患者については,主治医となり主体的に診療へ関わる
  • 週に一回担当患者につき,腫瘍カンファレンスにおいて検査結果,治療経過,問題点について討議後に回診を行う
  • 臨床試験登録患者への説明・同意取得へ同席する
  • 在宅緩和医療を実践する患者の訪問看護指示書,介護保険主治医意見書の作成を行い,訪問看護ステーション,在宅療養支援診療所との連絡調整を行う
  • 終末期医療内容についての意思確認,同意の場に立ち会う
  • お看とりに際して,死亡確認,死亡宣告,死亡診断書の作成を行う
  • がん患者の剖検所見会に参加する

初期臨床研修を始める前から腫瘍内科医になることを志望している人,関心はあるが腫瘍内科の診療内容がよく分からない人は勿論,がん診療を専門にするつもりがない人にこそ生涯に渡って意義のあるコースとなる様,研修内容についてはニーズに応じて柔軟に対応します。