施設名:JCHO佐賀中部病院

選択研修

病院の理念,特色等

JCHO佐賀中部病院は,これまでの社団法人佐賀社会保険病院から平成26年4月1日に独立行政法人地域医療機能推進機構傘下の病院として生まれ変わり,地域医療に貢献しています。佐賀市の中部医療圏に属し,佐賀大学附属病院,医療センター好生館,NHO 佐賀病院と共にこの医療圏の中での重要な公的機関としての役目を担うよう佐賀中部病院と名称を改めました。160床(116床の急性期病床と44床の地域包括ケア病床)の病院の他に,80床の老人保健施設と健康管理センターを併設しています。基本理念は,「患者さん中心の医療を行い,質の高い安全な医療を提供します。皆様が安心して暮らせ,心の支えとなる病院を目指します。」です。当院での研修の特色としては,健康管理センターでの予防医学に始まり,多種多様な急性期疾患の診療のみならず慢性疾患の管理,超急性期治療が終わった大病院からの受け入れや終末期医療,リハビリ,老人保健施設を通して福祉・介護までを担う幅広い研修が行えることです。診療科によっては,大病院と遜色のない,あるいは大病院でも経験の出来ないような先進的な専門的な診療を行っている科もあり貴重な経験が出来るものと確信しております。

指導者

研修代表責任者
南里悠介(脳神経内科診療部長,脳神経内科)

研修の概要

内科,外科,整形外科,脳神経内科のうち希望する診療科と期間を選択します(単一の診療科でも可能です)。

内科

研修責任者 内田賢(副院長)
呼吸器・消化器・循環器・脳神経(後述)・血液内科の5科で対応しています。特に呼吸器(常勤医3人),消化器(常勤医5人)は症例が充実しています。呼吸器内科は,喘息・COPD・睡眠時無呼吸症候群をはじめとして感染症・肺癌に至るまで,common disease から特殊性を要する疾患まで幅広く対応することが可能です。消化器内科は,佐賀大学の研修と違い消化管と肝疾患の両方を1人の医師が対応しています。消化器全般の考え方が身につくものと考えます。一般病院の内科研修として,非常に有用な研修ができます。

外科

研修責任者 岡洋右(副院長)
各種消化器癌や乳癌の専門性の高い手術から,ヘルニア,胆石症,虫垂炎,腹膜炎,腸閉塞など基本となる腹腔鏡手術と症例に応じた開腹手術を行っております。一般病院の外科の診療として周術期の管理だけで無く,初診から手術,化学療法と一連の患者様の経過を直に経験できます。また外科の処置(縫合,中心静脈確保など)に関してもいろいろ経験出来ると思います。

整形外科

研修責任者 園畑素樹(院長)
当科では脊椎脊髄疾患を除くほとんど全ての整形外科疾患を,手術療法を中心に治療しています。対象となる疾患や手術は,整形外科の基本となる骨折や神経,筋,腱,靭帯損傷などの外傷手術・スポーツ外傷ならびに障害の手術・末梢神経障害に対する除圧術から機能再建手術・関節の変性疾患に対しては,骨切り術や関節形成並びに人工関節置換術・また上肢を主とした指切断などの外傷に対しては,顕微鏡を用いたマイクロサージャリーによる再接着術など多岐にわたって手術治療を行っています。特に当院には手外科・膝関節外科は専門医が治療を行っており,整形外科医として当然習熟すべき疾患の治療は勿論,高度に専門的な治療まで経験し,学ぶことが可能です。
研修では患者様一人一人の術前評価をもとに,最善な治療を選択し,手術を行い,術後は的確なリハビリテーションを行いながら,最良の機能回復を目指すなかで,術前計画と術中所見の捉え方,術後の状態に応じた処置や合併症の予防などを学習していきます。

脳神経内科

研修責任者 南里悠介(脳神経内科診療部長)
脳卒中リハビリテーションの地域連携を中心に診療をおこなっています。そして,的確な問診と神経学的診察から臨床診断を導く訓練をもとに,臨床神経診断学の基礎習得を目指します。また,急性期病院から自宅/施設への橋渡しとしての入院リハビリ・在宅への支援・レスパイト受け入れなどにより,亜急性期から慢性期・在宅など地域における医療・福祉連携や多業種介入/支援を学べます。
その一方で免疫グロブリン大量療法など高度な医療も経験できます。対象疾患は脳卒中,神経変性疾患(パーキンソン病および関連疾患,脊髄小脳変性症,筋萎縮性側索硬化症など),免疫性神経疾患(重症筋無力症,多発性硬化症/視神経脊髄炎,慢性炎症性脱髄性多発性神経炎など),認知症,亜急性期脳血管障害,てんかん,慢性頭痛,めまいなど多岐にわたります。

施設名:国家公務員共済組合連合会 佐世保共済病院

選択研修

病院の理念

博愛の精神・人の和・自己研鑽

病院の特色

当院は明治時代に海軍基地として急速に発展した佐世保市に明治44年に開設されて以来,佐世保市と長崎県北地域の急性期医療を担う中核病院(地域医療支援病院,救急告示病院)として役割を果たしている。
周産期医療に力を注ぐ一方で,平成29年4月より地域包括ケア病床も備えて急性期後の医療にも取り組んでおり,平成29年7月からはNICU を備え,更なる急性期医療体制の充実をはかっている。許可病床は,一般病床373床,地域包括ケア病床40床を有し,診療科は22科,常勤医師65名が勤務している。

研修の特色

当院では,選択研修として,【1】内科コース(1~6か月)【2】外科コース(1~6か月)【3】麻酔科コース(1~6か月)【4】産婦人科コース(1~6か月)【5】小児科コース(1~6か月)を設けており,研修医1名につき指導医1名のマンツーマンの指導体制を実施している。
また,救急医療体制について,月に4回程度ある市の二次救急当番日に研修医も1人ずつ当番に入り,指導医とマンツーマンで診療に当たる体制をとっている。また二次救急当番日以外でも救急当直体制を取っており,研修医は希望により当直に入ることができる。さらに,希望により米軍診療所において,合同カンファランスへの参加や,プライマリケア等の診療の見学が可能である。

研修科目

内科,外科,麻酔科,産婦人科,小児科

指導者

指導責任者
三ツ木健二(院長)
指導代表者
(腎臓内科)福成健一
(循環器内科)金谷誠司
(腫瘍内科)三ツ木健二
(外科)井原 司
(麻酔科)深野 拓
(産婦人科)鶴地伸宏
(小児科)上玉利彰
指導医講習会修了者
(外科)冨﨑真一
(麻酔科)木本文子,末竹荘八郎
(産婦人科)木下秀一郎
(小児科)岡 尚記,合田裕治

科名:内科コース

1.研修の目標

全身を系統立てて診察する能力と患者を病める人間として尊厳を持って認識しながら,全人的医療を実践する能力を修得することを目的とする。特に日常よく遭遇する内科的疾患を経験しながら重要な疾患を中心に,疾病に対する内科的な問題解決手法を理解する。また,必要最小限の検査法と救急処置を修得する。

2.研修指導体制

  1. 病棟では,指導医の下に主治医として入院患者の診療に従事し,その実際を行う。
  2. 外来では,指導医の下に患者診察を行い医療人として必要な基本姿勢を修得する。
  3. 回診,カンファレンス,CPC などに参加する。

3.研修の内容

内科外来・病棟において循環器疾患,腎疾患などについて研修を行う。

4-1.研修到達目標(I)行動目標

医療人として必要な基本姿勢と態度を身につける

  1. 患者と医師の良好な人間関係
  2. チーム医療の理解と役割
  3. 問題提起とその対応能力
  4. 安全な医療の遂行と安全管理
  5. 症例呈示
  6. 医療の社会的な側面の理解

4-2.研修到達目標(II)経験目標

内科全般における経験目標
基本的な診察法,検査,手技,治療について
  1. 身体診察法ができる。
  2. 臨床検査の理解,実施,解釈(自ら実施し結果を解釈するものとして,血液型判定,交差適合試験,心電図,超音波検査など)。
  3. 基本的手技の適応を決定し実施する。
  4. 治療法の適応を決定し実施。
  5. チーム医療として医療記録の作成と管理。
経験すべき症状,病態,疾患
  1. 頻度の高い症状について
    不眠 浮腫 リンパ節腫脹 発疹 発熱 頭痛 めまい 胸痛 視力障害 視野狭窄 結膜の充血 嘔気・嘔吐 動悸 呼吸困難 咳痰 四肢のしびれ 腹痛 便通異常 血尿 排尿障害など 腰痛
  2. 緊急を要する症状と病態
    心肺停止 ショック 意識障害 脳血管障害 急性心不全 急性冠症候群 急性腹症 急性消化管出血 外傷 急性中毒など
  3. 経験が求められる疾患と病態(各内科選択科目の項を参照)
特定の医療現場の経験
  1. 救急医療:救急車によって搬入された患者の診療
  2. 予防医療:健診診療
  3. 地域医療:医療連携室での研修
  4. 緩和・終末医療:進行癌患者の診療
循環器内科における経験目標
検査と手技

心電図(12誘導心電図,モニター心電図,ホルター心電図)
心エコー検査 X線・CT検査・MRI検査
心臓カテーテル検査 心臓電気生理学的検査

治療法
  • 一次救命処置
  • 注射法(皮内,皮下,筋肉,点滴,静脈確保,中心静脈確保)
  • 採血法(静脈血,動脈血)
  • 穿刺法(胸腔穿刺)
  • 気管内挿管
  • 人工呼吸器の使用・管理
  • 電気的除細動
  • 一次ぺーシング,ペースメーカー埋込み
  • 大動脈内バルーンポンプ(IABP)の原理・操作法
  • 経皮的心肺補助装置(PCPS)の原理・操作法
疾患

心不全(急性,慢性心不全) 狭心症 心筋梗塞
急性冠症候群 心筋症 弁膜症 肺血栓塞栓症
不整脈(主要な頻脈性,徐脈性不整脈,危険な不整脈) 高脂血症
大血管疾患(動脈瘤,解離性大動脈瘤,閉塞性動脈硬化症)
高血圧症(本態性,二次性高血圧症) ショック 心肺停止

腎臓内科における経験目標
検査と手技

全身および腎尿路系の診察,記載 検尿・血液・生化学検査
免疫学的検査 X線検査 エコー検査 CT検査 MRI検査 腎生検 内シャント設置術

治療法

副腎皮質ステロイド剤(経口,点滴静注,パルス療法) 免疫抑制剤
抗生剤治療 化学療法 血液透析 腹膜透析 シャントPTA

疾患

急性腎障害 慢性腎臓病 糖尿病性腎症 痛風腎 血管炎症候群
腎盂腎炎 腎腫瘍 多発性嚢胞腎

救急医療

急性腎障害(緊急透析) 血漿交換

腫瘍内科における経験目標
検査と手技

全身の診察,記載,血液・生化学・腫瘍マーカーの検査
X線検査,CT 検査,MRI検査,上下部消化管内視鏡検査,腹部エコー検査
腹水・胸水穿刺術

治療法

抗悪性腫瘍薬(殺細胞性抗がん薬,分子標的薬,免疫チェックポイント阻害剤)
医療系麻薬,鎮痛剤,抗生物質,副腎皮質ステロイド剤

疾患

胃がん,大腸がん,原発不明がん,膵がん,胆道がん,頭頚部がん
乳がん,転移性骨腫瘍など

その他内科一般における経験目標
検査と手技

病歴聴取 神経学的診察法 血算・血液生化学検査
一般尿検査 便検査 動脈血ガス分析

治療法

薬物療法(経口,静脈注射,輸液) 輸血 リハビリ

疾患

脳卒中(脳梗塞など) 神経感染症(髄膜炎,脳炎など)
機能性疾患(頭痛,めまい,しびれ,てんかんなど) 一酸化炭素中毒等

救急医療

脳卒中 意識障害 迅速検査
痙攣などの緊急(救命)処置

適切な医療記録の作成・管理

診療録の記載,管理 処方箋,指示箋の作成・管理

科名:外科コース

1.研修の目標

外科疾患を有する患者の診療に携わる事により外科臨床の基礎知識,診療能力,ならびにプライマリー・ケアを習得する。

2.研修指導体制

指導医の下に副主治医として入院患者の診療に従事し,その実際を行う。

3.研修の内容

外科疾患に対する基礎的理解を深め,その診断,診療技術を修得するように努める。卒後初期研修はその後の臨床医としての基礎となるべきものであり,手術に参加し,術前,術後管理に携わることにより,総合研修の一端を担う。

疾患
  1. 腹部外科疾患…胃・十二指腸疾患,小腸・大腸疾患,肝・胆・膵・脾疾患,ヘルニアなど腹腔鏡下手術,開腹手術,内視鏡による処置
  2. 乳腺疾患…乳癌,乳腺炎など
  3. 救急医療…腹部救急,一般救急(外傷など)
週間予定

月曜日から金曜日まで毎日が手術予定日
火 午前:総回診
水 午前・新入院患者検討会
水 午後:総回診 術前検討会

4-1.研修到達目標(I)行動目標

外科研修を通じて医療人に必要な基本姿勢・態度を身につけるために,

  1. 患者・家族と良好な人間関係を確立する。
  2. 外科診療におけるチーム医療を理解し実践できる。
  3. 臨床症例を経験し問題思考能力を高めその対応能力を修得する。
  4. 安全管理について理解し安全な医療を実践できる。
  5. 臨床診断と外科的治療に必要な情報を収集する。
  6. 症例の提示と要約を行い,討論へ参加できる。
  7. 指導医のもとで診療計画を作成する。
  8. 医療のもつ社会性について理解する。

4-2.研修到達目標(II)経験目標

経験すべき診察法・検査・手技
基本的な身体診察法

術前,周術期および救急患者の身体診察を行うことができる。

基本的な臨床検査

術前検査,周術期および重症患者に対して必要な検査を計画,実施し,結果を解釈できる。

基本的外科手技
  1. 清潔操作が確実に理解,実行できる。
  2. 消毒法,血管確保ができる。
  3. 局所麻酔ができる。
  4. 簡単な縫合,止血,抜糸ができる。
  5. ドレーン,チューブ類の挿入を経験し,その管理ができる。
  6. 穿刺法(胸腔,腹腔)を経験できる。
  7. 中心静脈ルートの確保を経験する。
基本的検査手技
  1. 検査の読影,所見を述べることができる。
    X線検査,CT,MRI,血管造影,シンチグラムなど
  2. 術前術後の検査手技について,自ら経験,介助,所見を述べることができる。
    内視鏡検査,超音波検査,造影検査,気管支鏡,穿刺細胞診など
基本的治療法
  1. 薬物の作用,副作用,相互作用について理解し,薬物治療(抗菌剤,副腎皮質ステロイド,解熱剤,鎮痛剤,抗凝固剤を含む)ができる。
  2. 病態に応じた輸液療法を計画し,実施できる。
  3. 輸血の効果と副作用について理解し,実施できる。
医療記録
  1. 診療録の作成ができる。
  2. 手術症例の提示と要約ができる。
  3. 手術所見を理解して,記載ができる。
  4. 臨床所見を対比し,病態を理解できる。
  5. 検査および手術・治療に関するインフォームド・コンセントを経験する。
経験すべき症状・病態・疾患

予定手術症例のほかに外科外来および病棟で遭遇する以下の病態に対し適切な処置が行える。(急性腹症,胸・腹部外傷,ショック,心肺停止など)

救急医療の経験

救急外来および外科病棟において,身体状況,バイタルサインなどを適確に判断し,緊急処置を要する病態に対して以下の処置を実施できる。
(気道確保,人工呼吸,心マッサージ,気管挿管,除細動,ルート確保,採血法(静脈・動脈)導尿など)

科名:麻酔科コース

1.研修の目標

臨床麻酔を通して,循環呼吸管理など,生命維持管理に必要な知識および基本的手技の修得,プライマリー・ケアに必要な全身診察,基本的処置を行えるようにする。

2.研修指導体制

指導医がマンツーマンで指導をする。
指導医,上級医とともに,カンファレンスで担当患者の周術期管理に関して検討し,実際に麻酔担当医として指導医とともに周術期管理を行う。

3.研修の内容

術前患者評価

術前診察において患者の全身状態を把握し,患者・家族が納得できるような麻酔・全身管理に関する説明ができる。

全身麻酔管理
  1. 1日1~2例の患者を担当する。
  2. 吸入麻酔および静脈麻酔の大まかな特徴を理解する。
  3. 周術期管理を担当し,生命維持および生体管理に必要なバイタルサインの把握を行う。
術後管理

基本的な鎮痛薬の作用を理解でき,実践する。

チーム医療の実践

中央手術室の一員であることを自覚し,チーム医療を実践する。

4-1.研修到達目標(I)行動目標

医療人として必要な基本姿勢・態度を身につける。患者を全人的視野からとらえる姿勢を形成する。

4-2.研修到達目標(II)経験目標

術前患者評価
  1. 病歴の聴取…術前内服薬の理解と他の薬物との相互作用の理解
  2. 術前検査の評価…各臓器機能の理解と予備力の把握
  3. 麻薬の準備…気道確保に必要な器具とモニタリングの準備,必要薬品および物品の理解と準備
麻酔手技
  1. 静脈路確保…各抹消静脈路確保の修練と各中心静脈路確保の理解と準備
  2. マスク喚気…マスクバックによる人工呼吸の修練
  3. 気管挿管…気管内チューブによる気管挿管の実際及びそれ以外の器具による気道の確保の実際
患者管理
  1. 麻薬の理解…吸入麻酔薬・静脈麻酔薬・筋弛緩薬・鎮痛薬の病理作用及び実際の使用法の理解
  2. バイタルサインのチェック…生体への侵襲(刺激・出血など)によるバイタルサインの変動の理解と実際
  3. モニター項目の理解…ECG・SpO2・呼吸モニター・動脈圧・静脈圧の理解
  4. 血ガスの解釈…酸塩基平衡の理解と評価
  5. 体液バランスの調整…輸液製剤の量と質および電解質の理解と評価
  6. 輸血の副作用の理解…同種血輸血(成分輸血)の適応と実際及び自己血輸血の実際
最低限必要な検査のオーダー・評価

血液型・血液・生化学検査 血液ガス分析
電解質測定 画像診断・特にエコー

その他

チーム医療の理解 抄読会への参加 症例検討会への参加

科名:産婦人科コース

1.研修の目標

産婦人科診療に必要な知識及び技術の修得を目標とする。
産婦人科診療は【1】周産期 【2】腫瘍 【3】生殖内分泌の3部門からなるが,これら各部門の基礎及び臨床応用について学習することを目標とする。また,患者のプライバシーに関与するに足る高い倫理性を身につけ,インフォームド・コンセントの実際について修得する。

2.研修指導体制

  1. 外来では指導医の下で一般妊婦及び婦人科疾患の患者について,診療の実際を学習する。具体的には癌検診,婦人科疾患,産科超音波,不妊治療について各領域の専門による診療を経験する。また女性特有の疾患に基づく救急医療を研修する。
  2. 病棟では,チーム医療の一員として入院患者の診療に従事する(クリニカル・クラークシップ制)。主治医としての自覚を持って診療計画をたて,分娩や手術に参加する。患者の社会的背景を把握し,患者を全人的に理解し対応することの重要性を学ぶ。

3.研修の内容

周産期
正常妊娠・分娩・産褥の管理ができる。
  1. 妊婦健診
  2. ハイリスク妊娠のスクリーニング
  3. 分娩第1期…内診による分娩進行の把握
  4. 分娩時胎児モニタリング
  5. 分娩誘発・促進法
  6. 分娩第2期…分娩介助,会陰切開・縫合術
  7. 娩出直後の新生児の取り扱い
  8. 分娩第3期…胎盤娩出
  9. 産褥管理…子宮復古,悪露,乳房などの観察
  10. 産褥1週間及び産褥1ヶ月健診
異常分娩の診断と病態の把握ができる。

流産 早産 妊娠高血圧症候群 産科出血 胎児異常

婦人科腫瘍及び感染症
婦人科疾患の病理,診断学及び治療

感染症…細菌感染症,性行為感染症 良性子宮腫瘍…子宮筋腫,子宮腺筋症
良性卵巣腫瘍(卵巣貯留嚢胞を含む) 子宮癌…子宮頸癌,子宮体癌
卵巣癌 外陰・膣疾患

婦人科検査法の原理と適応

細胞診 コルポスコピー
子宮頚部生検 ダグラス窩穿刺
子宮内膜試験掻爬 超音波断層法(経腹法,経膣法)
骨盤CTスキャン 骨盤MRI
腹腔鏡検査

生殖内分泌及び不妊症
生殖内分泌の生理と病理

思春期異常 更年期障害 不妊症

生殖内分泌検査の原理と適応

基礎体温(BBT) ホルモン検査 子宮卵管造影法(HSG)
精液検査 腹腔鏡検査

4-1.研修到達目標(I)行動目標

  1. ひとりの医師として,単なる医療情報の提供者ではなく,患者や家族の希望を理解し,それに沿った,しかも質の高い医療情報を選択して提供できること。そのために,個々の患者の置かれている状況を把握する能力を養うこと。医療チームの一員として,自己の役割を理解し,先輩・同輩・後輩との意思疎通がとれ,患者を中心とした人間関係を構築できること。
  2. 患者のみならず,自己や同僚の安全性に配慮できること。常に医療技術及び知識の吸収に努め,患者の治療に必要な情報を収集し,それを実際の臨床に生かせること。
  3. 自己の置かれた社会的位置を見定め,社会の一員として果たすべき役割を理解すること。そのためには,常識ある医療人としての人格を養うべく,広く世の事象に目を向けること。

4-2.研修到達目標(II)経験目標

  1. まずは正常妊娠及び分娩を経験すること。そのために,外来で妊婦健診にあたり,夜間には産婦人科待機に加わって,分娩に立ち会うこと。同じく,異常妊娠及び分娩についても,産科超音波外来や帝王切開術に立ち会って経験を積むこと。
  2. 入院中の患者を受け持つことにより,切迫流早産・妊娠高血圧症候群・合併症妊娠あるいは産褥などについて経験をすること。
  3. 不妊症や内分泌異常について,不妊外来において学習すること。また思春期や更年期などの婦人特有の状況を理解し起こりうる心身の異常について学ぶこと。
  4. 外陰・膣・子宮・卵巣などの腫瘍や感染症について学習すること。
  5. 腫瘍外来におけるコルポスコピーや生検の手技を観察し,入院患者について,それらの診断や治療法について学習すること。
  6. 異所性妊娠や良性卵巣腫瘍の治療における腹腔鏡の手技を学ぶこと。
  7. 子宮及び卵巣腫瘍の手術療法に立ち会い,その意義や手技について学習すること。

科名:小児科コース

1.佐世保共済病院小児科の特徴

  • 近隣の小児科を有する病院と協力して長崎県北部の小児医療の一端をになう
  • 日本アレルギー学会教育施設として,小児喘息・食物アレルギーに対する生活指導を行っている
  • 小児がん研究グループA会員として,大学病院等と連携して小児血液腫瘍・小児がんの治療が可能
  • NICU3床を有し,極低出生体重児の治療に携わる

2.研修指導体制

1~3か月間,指導医のもとで急性疾患および慢性疾患を有する患児を,外来もしくは入院でチームの一員として診察・治療を行う。

3-1.研修到達目標(I)行動目標

  • 日々成長する小児の特性を理解し,診断と治療に必要な知識と技術を習得する。
  • こどもとそのご家族の気持ちを考え,医師そして一人の人間として成長していく。

3-2.研修到達目標(II)経験目標

医療面接
  • 患児の保護者(年齢によっては本人から)から適切な病歴を聴取できる
  • 医師-患者関係を確立できる
  • 患者への生活指導ができる
診察
  • 小児の成長に応じた特性を理解する
  • 年齢を考慮した診察ができる
  • 診察所見を系統的に記載できる
  • 小児の検査値の正常を理解する
手技
  • 採血ができる(静脈採血,新生児においては足底採血)
  • 年長児の点滴ができる
  • 指導医とともに腰椎穿刺ができる
  • 帝王切開に立ち会い,新生児への初期対応ができる
疾患
  • 小児の発熱について理解する
  • 呼吸障害(特に喘息発作)の鑑別ができる
  • 腹部症状(腹痛・嘔吐・下痢)の鑑別ができる
  • 発疹性疾患の鑑別ができる
  • 出血性疾患の鑑別ができる
治療
  • 小児薬用量(内服薬,抗生剤)がわかる
  • 小児の輸液療法ができる
  • 発熱への対処ができる
  • 吸入療法ができる
  • 嘔吐・下痢に対する対処ができる
  • 他科への適切なコンサルトができる
経験すべき疾患
  • 乳児発熱
  • 小児アレルギー疾患(気管支喘息,食物アレルギー など)
  • 感染症(呼吸器感染症,腸管感染症,尿路感染症 など)
  • 血液疾患(貧血,免疫性血小板減少症 など)
  • 内分泌疾患(低身長 など)
  • 新生児疾患(呼吸障害,新生児黄疸,低血糖 など)

施設名:済生会唐津病院

選択研修

病院の理念,特色等

済生会唐津病院は,唐津東松浦地区の中核病院として地域医療に貢献している。さらに医療のみならず,特別養護老人ホーム,老人保健施設,訪問看護ステーションなどとともに済生会唐津医療福祉センターを構成し,医療保健福祉の複合的なサービスを地域に提供している。センター全体の理念は「済生会創立の精神を尊重し“健康への願い”に「良質の医療・福祉サービス」と「まごごろ」で応える」である。本院の主な診療科は内科,外科,整形外科,脳神経外科,放射線科であり,病床数は一般病床193床。外来患者数は一日平均約285.1名,一般病床の入院患者数は一日平均約165.8名で平均在院日数は15.2日。本院における研修の特色として,多種多様な急性期疾患の診療,慢性期疾患の管理,リハビリ,福祉との連携など地域医療におけるさまざまな経験を一施設で経験できることが挙げられる。本院の選択研修は内科系,外科系に主に分けられるが,希望により福祉関係の施設での研修も可能である。
病棟での研修では最大月30名程度の新患を診療する。大学では経験できない急性期疾患を多く診療することになる。検査関係では希望により,内視鏡,透視,超音波検査を研修することができる。

科名:内科部門

指導者

指導統括責任者
千布 裕
指導医講習会修了者
千布裕,徳島卓,深堀哲弘,遠藤広貴,藤松大輔,矢沢みゆき,熊谷貴文,樋高秀憲

研修の概要

病棟

研修目標

  • 主治医となった患者からの病歴聴取,身体所見診察を行い,病態を理解し,必要な検査,治療を指示できる。
  • 病棟において,採血,点滴,静注など基本的な手技を実行できる。
  • 患者に病態,治療計画,予測される予後などを説明できる。
  • 患者の心理を理解し,それに配慮した病状の説明ができる。
  • 患者および家族の心情に配慮することができる。
  • 福祉部門との連携ができる。
検査部門

研修目標

  • 腹部超音波検査,透視,内視鏡検査の仕組み,有用性,危険性を理解する。
  • 腹部超音波検査,透視,内視鏡検査が指導医の指導の下,施行できる。
  • 検査所見より,診断を行い,治療方針を決定できる。
  • 超音波診断装置を用いて,腹腔穿刺,静脈穿刺,膿瘍穿刺ができる。
  • 心臓カテーテル検査の仕組みを理解する。
救急医療

研修目標

  • BLS,ACLSを理解し,実行できる。
  • 救急患者に対して,限られた時間内で効率的に治療,検査の計画を立案し,優先順位をつけ,スタッフに指示をだすことができる。
  • 救急患者本人,家族の心情を理解し,適切な心理的サポートをおこなうことができる。

科名:外科

指導者

指導責任者
山懸基維
指導医講習会修了者
園田孝志,山懸基維,筒井信一,宮崎充啓,松山歩,力丸達也,久良木亮一,枝川真,米倉豊,白木誠,勝田俊郎,左村和宏,田中宏幸

研修の概要

当院外科では主に一般外科,消化器外科,肝胆膵外科,血管外科,乳腺外科,呼吸器外科の診療を外科スタッフ10名で行っており,年間の手術症例は約1,100で,外科系領域に関して診断から手術およびIVR に至るまで幅広い研修が行える。また,一般市中病院の外科であり消化器急性炎症性疾患や大小様々な外傷も多く,大学病院等では多くは経験できない外科学のプライマリーな疾患の研修も可能である。外科の初期研修は,外科領域の知識習得はもちろんであるが,結紮縫合といった基本手技の修得が必要で,当院外科では,縫合に限らず内視鏡的治療から血管内治療まで多くの手技を実践で経験し修得することが可能である。また鏡視下手術も多数経験出来る点も当院の特徴である。以下,各領域の研修可能な疾患,手技につき記す。

消化器外科
食道癌,胃癌,大腸癌に対する外科治療(標準的開腹手術,腹腔鏡下手術)。術前後の化学療法。上下部内視鏡による術前評価。
肝胆膵外科
肝細胞癌,転移性肝癌に対する肝切除(腹腔鏡下肝切除も含む)。胆膵悪性疾患に対するPTCD,ERCPによる術前診断。処置から膵頭十二指腸切除や胆管切除・再建などの外科切除。手術適応のない膵胆道系悪性疾患に対する胆道ステント挿入。胆道系良性疾患(胆石,総胆管結石)に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術,内視鏡的乳頭切開・結石除去。慢性膵炎に対する内視鏡的ステント挿入。
血管外科
腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術。閉塞性動脈硬化症に対する血管内治療(PTAやステント挿入)とバイパス手術(重症虚血肢に対しては下腿から足部へのバイパス術)。下肢静脈瘤や深部静脈血栓症などの静脈疾患。
一般外科
急性炎症性疾患(急性虫垂炎,急性胆嚢炎・胆管炎),ソケイヘルニアなどの腹壁ヘルニア,各種外傷,糖尿病性足壊疽など。
乳腺外科
乳癌に対する乳腺撮影・超音波などの術前診断。乳房切除術や縮小手術などの外科治療。術前・術後の化学療法。
呼吸器
肺癌,気胸,縦隔腫瘍,胸壁・胸膜腫瘍などの呼吸器外科疾患に対する診断(画像診断,気管支鏡検査,胸腔穿刺),治療(手術,化学療法,胸腔ドレナージ)。

施設名:白石共立病院

選択研修

当院の概要について

当院は佐賀県の南西部に位置する白石平野に,昭和34年,沖田病院として産声を上げ,昭和55年白石共立病院と改称し現在に至っている。一般病床108床(うち地域包括ケア病床20床),回復期リハ病棟42床,透析装置72台を有し,他にリハビリテーション施設,通所リハビリテーション施設,訪問看護を付設する。診療では主に一般内科,腎臓内科,循環器科,神経内科,外科,脳神経外科,放射線科,整形外科を標榜している。県南部の災害拠点病院に指定され,二次救急と地域医療の役割を担っている。

当院の信条

信条「医療の根源は人間愛である」

  1. 人間の生命の尊厳に畏敬の念をもって
  2. 病める人のための聖職であることを自覚し
  3. 医療の安全と質の向上に努め
  4. 情報開示のもと説明と同意に徹し
  5. 患者の権利を護り
  6. 全ての医療行為に愛を貫き通します

病院の運営に当たって

病院の運営に当たっては,病院の質を向上させるため,平成15年12月1日に国際規格であるISO9001品質マネージメントシステムの認証を取得し,現在も外部監査機関による更新監査を受け認証を更新することが出来ている。
平成14年4月1日に電子カルテシステム,オーダーリングシステムを導入した。
平成16年に新臨床研修医制度のもとに,協力型研修施設の指定を受けた。平成20年5月には近隣施設の協力もあって,医療施設・介護施設を含む「佐賀南部医療連携協議会」を立ち上げ佐賀県でいち早く医療連携システムを構築した。このことがのちに,平成22年2月「佐賀県診療録地域連携システム(PIKAPIKA-LINK)」の構築にも寄与できた。
ベッドサイドでの医師の指示の確認を看護師が行うことが出来るPDA端末システムを導入し,医療安全と病棟の必要物品の在庫管理に利用している。

初期研修の概要

当院における研修については,主たる科(内科,神経内科,外科)を選択し研修するが,興味ある症例があれば他科についてもコンサルトもしくは指導をうけることが出来る。

  • 臨床研修責任者:池田 裕次(病院長・内科)
  • プログラム責任者:白石  良(副院長・循環器科)
  • 内科系指導医:村山 司郎(内科部長・代謝内分泌)
  • 外科系指導医:岡村 啓二(外科部長)
  • 放射線科指導医:松本 幸一(副院長・放射線科)
  • 透析指導医:斧沢 幸司(腎センター長・腎臓内科)
  • 整形外科指導医:北島 将(整形外科部長)
  • 研修期間は1~6ヶ月とする。
  • 研修医は大よそ6~8人程度の患者を担当し,指導医から指導を受ける。
  • 診療に当たっては,白石共立病院の基本理念を理解し,それに則って診療に励んでもらう。
  • 患者及び家族への対応は信頼を得ることが第一で,コミュニケーションを大切にし,患者の訴える現症と既往歴と生活情報を十分に得て,検査・治療に対する協力が得られるように努め,結果の説明にあたっては適切な内容を分かりやすく説明することが求められる。
  • 他の医療機関との連携も考慮し,出来るだけ速やかに情報を提供することに心がける。
  • 院内にあっては,職員とのコミュニケーションを大切にし,意思疎通が適切にできて,診療業務が効率的に図れるように心がける。
  • 総じて,医師の倫理と使命感に基づき,効率的・効果的な治療の流れと,患者・家族の立場に立った医療ができるように心がける。

具体的な研修内容

内科

内科部門は一般的な内科医の基本となるように,内科全般にわたる患者に接し,診療にあたる。

腎臓内科部門

腎臓疾患の外来診療と,72ベッドを有する人工透析センターでの診療に加えて,入院が必要な患者は病棟での診療を行う。
透析に関しては,二人の常勤医師と佐賀大学の応援を得て,夜間透析も行っている。
腎疾患・糖尿病・高血圧等の末期で透析導入に至った患者が多く,そのため高齢で,治療の歴史も長い。個々の患者はいろいろな社会的・精神的・心理的な問題を抱えた患者が多い。このため透析医の役割は,患者が透析治療を続けられるよう広く全人的な配慮することが求められる。多職種で構成される透析チームは十分な力量を持つスタッフを育て,一丸となって医療安全対策を徹底できるよう求められる。
この部門では,血尿,浮腫,高血圧,腎機能障害などで来院した患者の診断の進め方,治療について研修する。
腎不全の治療,特に透析療法(血液透析・腹膜透析)については,指導医のもとにその適応と限界を知ることが出来る。

代謝内分泌部門

糖尿病患者が圧倒的に多く,糖尿病の成因,病態,合併症について学習し,生活指導も含めた治療方針を立てることを習熟する。
血糖コントロール不良の患者に対しては,教育入院の場でコントロールを図り,運動療法と栄養指導を行っている。
また甲状腺などの内分泌疾患においては,病態を把握し,各種負荷試験・画像所見等を利用し,正しく診断できることを研修する。
また,この部門での研修は,特に他科からのコンサルトを求められることが多いため,気安く相談に応じられる医師の器量と伎倆を習熟することも研修する。

循環器科部門

内科外科を問わず,循環器救急疾患の診断と治療を行うことが可能な設備を擁しており,循環器疾患の代表的なものに対して,問診・理学所見のうえに生理検査,画像検査等を通じて適切に診断し,治療の為の指導を受けることが出来る。急性冠症候群へのインターベンションから透析患者のシャントに関する手術,動脈硬化性末梢血管疾患に対する手術などへの助手としての参加ができる。
この部門での研修は,昼夜を問わず救急・急病患者の求めに応じる機会が多く,医学知識とは別に医師として基本姿勢を習熟できる。

神経内科

神経内科部門は,中枢神経疾患・末梢神経疾患・神経筋接合部疾患・筋肉疾患を対象とするほかに,脳血管障害も対象に診療している。
特に,地域医療の中では脳血管疾患の急病,救急患者を診ることが多い。
この部門での研修は,患者が訴える症状から神経内科対象疾患を捉える問診技術が重要である。加えて神経学的他覚所見,神経生理検査,画像所見等,診断までに時間を要する事が多い。脳血管疾患は昼夜を問わず急病・救急の状態で来院する。横断的に他科とのかかわり,とりわけ脳外科とのかかわりが多いが,他にリハ部門・社会福祉士とのかかわりを持つ機会も多いところで,患者の生活背景等幅広く医療・福祉を見通せる技量を研修できる。

外科

外科の対象疾患としては,主に食道・胃・大腸・肝胆道系・膵・痔疾・乳腺の各疾患と外傷を対象にする。
外科学の一般的な知識と技術を経験し,習熟することは臨床をめざす医師にとって必要なことである。特に急病・救急に際しての,止血・創処置・呼吸管理・血管確保等の一次的な応急処置は「できない」では済まされない医師の業務である。
近年,手術適応が高年齢に達していることを念頭に,体力・栄養状態の把握と,術前・術後の管理はもとより手術の適応を適切に判断することが出来る外科医を目標に教育訓練を受ける。
研修医は手術助手として手術室に入り,手術の手伝いをし,副担当医として抗生物質の使用・創の管理を研修できる。
この部門での研修では,医療安全に対応できる基本的な医師の姿勢を求められる。

脳神経外科

当院は,脊椎脊髄疾患,脳血管疾患,脳腫瘍,頭部外傷を対象疾患に県内でも有数の手術症例数を誇る施設であり,研修医は手術等の見学ができる。

リハビリテーション科

当院でのリハビリテーションの特徴は,主に脳血管疾患を対象に超急性期から,亜急性期,回復期,維持期までの一貫したリハビリテーションを行っている。
一般病棟での急性期リハ,回復期リハビリテーション病棟での在宅復帰に向けたリハ,通所リハビリテーションでの維持期リハを現場で指導を受けることが出来る。
中枢神経疾患のリハは,その病態が複雑であるが,リハ医の役割は理学療法・作業療法・言語聴覚療法が患者のリハポテンシャルに応じて適切に行われているか見極めることが必要である。患者その人なりのQOLを高め,日本式の家屋で生活できるために,また社会生活に復帰できるようにするためには医学の知識とは別に全人的な理念を求められる。ソーシャルワーカー・ケアマネージャー含めた関連スタッフとの情報を共有することを習熟することを研修できる。

整形外科

整形外科部門は,股関節,膝関節,足,手,肩関節等,整形外科全般の診療および手術を行なっています。
手術においては,一般的な骨折や外傷に対する手術,スポーツ外傷に対する手術,股関節や膝関節に対する手術,骨切り術等を中心に実施しています。
また、当院では回復期リハビリテーション病棟もある為,専門的な治療からリハビリまでの一連の流れを学ぶことができます。

研修医スケジュール

  • 勤務時間 AM8時半~PM5時半(PM12時半~1時半 休息時間)
  • 休診日  木曜日午後  日曜祭日
  • 救急と外来急病患者対応は当番医制で運用
  • 研修医の当直は,副当直として対応

週間予定

午前 各科外来・内視鏡
腹部頸部エコー
乳腺外来
終日透析
各科外来・内視鏡
腹部頚部エコー
脳ドック
終日透析
各科外来・内視鏡
腹部頚部エコー
終日透析
各科外来・内視鏡
腹部頚部エコー
終日透析
各科外来・内視鏡
腹部頚部エコー
心エコー
脳ドック・検診
終日透析
各科外来・内視鏡
腹部頚部エコー
終日透析
午後 血管外科手術 脳外科・外科手術
心カテ
脳外科・外科手術
肝疾患外来
外科手術
心カテ
脳外科手術
皮膚・泌尿器科外来
行事 第2,第4週医局会
夜間透析
午前8時25分朝礼
夜間透析
夜間透析

施設名:社会医療法人 祐愛会織田病院

選択研修

病院の理念

超高齢社会の日本で「Aging in place(住み慣れた地域で自分らしく最後まで)」の実現を目指し,急性期医療から在宅まで,保健・予防・医療・介護の各分野が一体的に提供できる総合ヘルスケアシステムの構築を進めます。

病院の特色

織田病院は病床数111床と比較的小規模の病院ですが,常勤医師30名に加え,大学病院(佐賀大学,九州大学,久留米大学)からの非常勤医師による専門外来も行っており,佐賀県南部医療圏(人口約15万人)の中核病院として地域の急性期医療を担っています。高齢化の進行とともに,「治す医療」から「治し支える医療」への転換を本格化させており,医師だけでなく,看護師,薬剤師,理学療法士,医療ソーシャルワーカーなど多職種協働で,地域医療を行っています。
また,急性期病院でありながら在宅医療にも力を入れ,地域のかかりつけの先生方と共に地域のニーズにあった医療を展開し,その取り組みは全国的にも注目されています。さらに近隣に“ゆうあいビレッジ”という介護・福祉ゾーンを創設し,介護保険関連事業の運営も行っています。2023年4月からは隣町の高島病院と同一グループとなり,地域包括的ケアシステムの構築に向け市町を超えた連携に法人全体で取り組んでいます。

研修の特色

本院の研修は「自分でデザインする研修」が特徴です。

研修コース

希望に沿った研修ができるようオーダーメイドのプログラムを作成しています。

  1. 内科系コース(総合診療・内科全般,あるいは消化器,呼吸器,肝臓,代謝内分泌,血液などの専門科の選択も可能)
  2. 外科系コース(一般・消化器外科がメイン)

※他にも循環器科,脳神経外科,耳鼻咽喉科,皮膚科・形成外科,放射線科,麻酔科など,将来の進路に沿った研修も可能です。

研修の特徴

当院で経験する疾患はcommon diseaseに溢れており,初期研修の目的である臨床医としての基本的知識,技術および態度を学ぶのに最適な研修です。

  1. 主治医(主治医として治療方針など指導医と話合いながら決定します。)
  2. 交代制(夜間,休日は当直医が病棟対応をしますのでメリハリのある研修が可能です。)
  3. 当直対応(希望に応じて当直も可能です。当直は指導医と2名体制で,救急車,急変対応まで学ぶことができます。

科名

内科(総合診療科,消化器内科,呼吸器内科,肝臓内科,代謝内分泌科,血液・腫瘍内科),一般・消化器外科,循環器科・呼吸器外科,脳神経外科,耳鼻咽喉科,皮膚科,形成外科,放射線科,麻酔科

指導者

指導責任者
織田良正
指導代表者
織田良正
指導医講習会修了者
織田良正,織田正道,伊山明宏,乗田浩明,中原快明,廣津辰美,中島順子,安武努,佐藤建,中平圭,谷口賢一郎,出勝,大石透,牧尾成二郎,森槙子

研修の概要

研修する診療科や研修期間は研修医の希望に沿い,柔軟に対応します。また,希望に応じて,在宅への訪問診療や,指導医の指導の下で救急車対応や救急当直も可能です。研修各科の研修成果や研修目標は佐賀大学医学部附属病院初期研修プログラムに準じています。
例えば,内科系コースの中でも現在までで最も選択者の多い総合診療コースでは,指導医(内科専門医,外科専門医等)の出来うる手技はすべて経験が可能です。具体的には,気管挿管,CV挿入など救急で必要とされる手技,その他にも,穿刺手技や外科手技も経験可能です。

これまでに当院で行った初期研修の中からいくつかの研修例を示します。

  1. 女性研修医(4ヶ月研修):将来は内科志望で,一般病院で消化器系疾患を研修したいとの希望があり,入院患者はできるだけ消化器疾患に特化して研修していただきました(常時5~6人)。
  2. 男性研修医(2ヶ月研修):将来は耳鼻咽喉科志望でしたので,耳鼻咽喉科にて手術・入院・外来の研修を行っていただきました。また,内科カンファレンスに参加したり救急当直(指導医とともに)を行う中で,臨床医としての基本的な知識や技術も学んでいただきました。
  3. 男性研修医(1ヶ月研修):将来は放射線科入局予定で,内科系の知識を身につけたいとの希望があり,幅広い分野の内科患者を持っていただきました(常時5~6人)。また,放射線医のもとで腹部エコー,読影(一般撮影,CT,MRIなど)も学びましたので,放射線科の基本的な知識の習得も出来ました。
  4. 女性研修医(2ヶ月研修):皮膚科志望であり,皮膚科・形成外科での研修を主としながらも,皮膚科医として関わることの多い糖尿病,膠原病,感染症(気管支炎・肺炎,尿路感染)などの内科的疾患の入院診療にも携わって頂きました(常時2~3人)。
  5. 男性研修医(2ヶ月研修):内科志望であり,内科医としての幅広い診療力を持ちたいとの希望が強く,いろいろな主訴を持つ患者の診療に携わって頂きました。2ヶ月で17症例を受け持ちましたが,最初からの連続10症例を示します。
年令,性別 主訴 最終診断
74歳,男性 食欲がない 結核性胸膜炎
37歳,男性 胸が痛い 気胸
61歳,男性 みぞおちが痛い 出血性胃潰瘍
70歳,女性 熱が下がらない 成人Still病
63歳,男性 ふらふらする アルコール性肝硬変
86歳,男性 身体がきつい COPD増悪(HOT導入)
92歳,女性 食欲がない 慢性心不全増悪
80歳,女性 熱が出る 肺炎
21歳,男性 下腹が痛い 急性虫垂炎
94歳,男性 食欲がない 肺炎

※織田病院ホームページにも「研修修了者の声」を紹介していますので,ぜひご覧ください。
https://www.odahp.com/approach/intern/zenki.html

施設名:独立行政法人国立病院機構東佐賀病院

選択研修

病院の理念

地域の病む人々に常に寄り添い,安全で質の高い医療を提供し,信頼・安心していただける病院をめざします。

病院の特色

佐賀県東部に位置する東佐賀病院は,昭和14年に傷痍軍人佐賀療養所として開設され,以来80年の歴史があります。昭和20年に国立佐賀療養所,昭和49年国立療養所東佐賀病院,平成16年より独立行政法人国立病院機構に移行し現在に至ります。病床は一般140床(感染症4床,包括ケア60床を含む),結核30床,重心165床で構成されています。
東佐賀病院は佐賀県の結核の最終拠点病院であり,専門医による診療を行っています。当院の基本理念に基づき,内科では生活習慣病(がん,糖尿病,肝臓病,循環器疾患等)の医療に努めており,消化管内視鏡健診や糖尿病教室の開催など患者教育にも力を入れています。小児科では専門医による小児アレルギー疾患診断・治療に特色があり,地域の拠点となっています。整形外科では外傷から慢性疾患まで,すべての年齢の運動器疾患を対象に,多職種からなる整形リハビリチームによる患者の全人的ケアを行っています。外科では胆石症,虫垂炎,鼡径ヘルニア等の良性疾患や,胃癌,大腸癌等の悪性疾患に対する手術,治療を行っており,腹腔鏡下手術も積極的に導入しています。さらに,東佐賀病院では生育・重症心身障害の政策医療を行っています。九州では最大規模の重症心身障害者病棟を持ち,人工呼吸器管理などを必要とする重度の重症心身障害児(者)を積極的に受け入れています。在宅重症児(者)に対する支援事業の一環として,ショートステイも積極的に受け入れています。

診療科名:小児科

指導者

指導責任者
横田吾郎
指導代表者
中西未来(一般小児科),稲田由紀子(重症児者病棟)

研修の概要

2ヶ月間研修する。指導医のもと,小児科病棟および,重症児(者)病棟での診療を行う。

研修成果

一般的な小児急性期疾患の診断,治療を通し,小児の特性を理解することができる。重症児(者)に対する医学的,社会的,心理的ケアを行うことができる。

研修目標

一般小児科研修
  1. 小児急性期疾患の診断をし,治療計画を立てることができる。
  2. 小児に対する点滴ルート確保などの基礎的な処置を施行できる。
  3. 保護者に対し,病状説明ができる。
重症児(者)研修
  1. 患者および患者家族とコミュニケーションをとることができる。
  2. 重症心身障害者に対する福祉制度を理解する。
  3. 重症心身障害の特性を理解し説明することができる。
  4. 重症児(者)の基礎疾患,併発症を理解し対応することができる。
  5. 重症児(者)病棟に関与するコ・メディカルと適切に連携できる。
  6. 重症児(者)病棟における感染症対策を理解する。
その他

当直:副直として指導医師と一緒に行う(月4回)。
指導医のもとで,外来診療を行う。

週間予定

午前 病棟診療 病棟診療 病棟診療 病棟診療 病棟診療
午後 外来診療
病棟回診
病棟処置
病棟回診
医局勉強会
乳児健診
病棟回診
病棟処置
抄読会
外来診療
重心病棟回診
外来診療
病棟回診

診療科名:呼吸器内科

指導者

指導責任者
犬山正仁
指導代表者
犬山正仁

研修の概要

  • 結核・非結核性抗酸菌症の診断と治療と呼吸器一般。
  • 研修期間は1~6ヶ月間。
  • 募集人数 1~2名

研修成果

結核・非結核性抗酸菌症の診断と治療ならびに呼吸器一般。

研修目標

結核および結核と鑑別を要する非結核性抗酸菌症について,適切に診断・治療できる。
  • 結核感染と発病の違いを正しく理解する。
  • 結核を疑う病歴や症状を理解し,聴取することができる。
  • 胸部X線・CT像から結核を診断できる。
  • 結核菌検査の意義と方法,結果について説明できる。
  • 治療薬,治療法について学び,副作用などの対処法を学ぶ。
  • 家族等の接触者に対して感染防止などについて適切な説明および指導ができる。
感染症法を理解する。
  • 患者発生時の届出,入退院の基準を理解し入退院届,37条による診断書が提出できるようになる。
  • 外来治療,その注意点,治療期間について正しく理解する。
保健所との連携
  • 接触者検診について理解しその対処法を学ぶ:潜在性結核感染症の届出,治療
  • DOTsの方法と治療効果判定 治療終了後の患者管理について学ぶ
結核の院内感染対策に指導的役割を果たすことができる。
  • ICT(infection control team)の一員としての役割を果たせる。
  • ICD(infection control doctor)取得のための準備を行う。

教育関連行事・方略

  • 月曜 午前 外来
  • 火曜 午前 外来
  • 水曜 午前 抄説会,外来 午後 2週に1回結核審査会
  • 木曜 病棟診療
  • 金曜 病棟診療

施設名:伊万里有田共立病院

選択研修

理念と特色

当院は,伊万里市民病院,有田共立病院が統合され,伊万里市および有田町を設立母体として新たに病院が建設され,平成24年3月1日に伊万里有田共立病院(206床)としてスタートしました。そのため広範囲な佐賀県西部医療圏における中核病院と位置付けられており,災害拠点病院としての指定も受けています。主な役割は,圏域医療施設と連携をとり二次医療および救急医療を担うことですが,専門医がいる診療科においてはさらに高次の診療まで行っています。設備面では,救急処置室(24時間体制),手術室(3室:うちバイオクリーン1室),リハビリテーション室,感染症病床(4床),健診センター,MRI(2台),CT(2台),血管造影撮影室等を有しており,平成26年5月よりドクターヘリ用のヘリポートも運用が開始され,重症患者の受け入れ・搬送に活用されています。また,同時期に快適な環境での研修が出来るよう,臨床研修医専用の医師住宅も新築し,子供さんたちのための託児所も完備致しました。
当院の理念は,医療従事者の基本である,「患者さんを自分の家族と思って診療にあたる」ということを第一に掲げており,この理念に沿って全職員が行動しています。
診療科は21科あり,主な診療科として内科,外科,整形外科,脳神経内科,脳神経外科,婦人科,小児科,泌尿器科,眼科,耳鼻咽喉科,リハビリテーション科を標榜しています。診療科間の垣根は低く,気軽に他科へコンサルトしやすいのが当病院の特長です。さらに当病院の特色の一つとして,佐賀医科大学(現佐賀大学医学部)の第一期卒業生(脳神経外科)が院長になり,佐賀医科大学開学の理念であった地域医療充実とオールラウンド医師育成のため,少しでも佐賀大学附属病院卒後研修のお手伝いができるよう,陣頭指揮をとっているところです。文献検索や医療情報収集,論文執筆,学会発表なども大学と遜色ないレベルで行えるなど,快適な環境で研修が受けられるようスタッフ,設備を整えております。佐賀大学医学部附属病院の初期臨床研修において,地域医療を研修するには,最適の病院であると自負しております。

診療科名:内科・外科系部門

指導者

指導総括責任者
川久保洋晴(消化器内科部長)
指導医講習会修了者
桃﨑宣明,後藤公文,西村和重,荒木保博,園田英人,川副広明,秋山隆行,曲渕裕樹,小島基靖,川久保洋晴

研修の概要

内科,外科,脳神経内科,脳神経外科のうち希望する診療科と期間を選択し,ローテートいたします(もちろん単一科だけでの研修も可能です)。指導医の指導の下,外来患者や救急患者の初期診療にあたるとともに,消化管内視鏡,超音波検査(心臓,頸動脈,腹部,乳腺),血管造影,脳波検査などの検査に立ち会います(自ら実施することも可能にします)。入院患者も受け持ち,治療方針決定に参加し,外科では手術の介助や術後管理なども行います。受け持ち患者においては,患者・家族対応や院内チーム医療,さらには医療連携の実際を体験します。興味ある症例に関しては,学会発表も行えるように支援いたします。

研修成果と研修目標

基本的に佐賀大学附属病院初期研修プログラムの内容を踏襲し,その達成のためのお手伝いをいたします。

教育関連行事

月曜~金曜

  • 午前 指導医のもとでの外来診療,エコー,内視鏡,血管造影など
  • 午後 病棟回診,手術への参加及び術前・術後症例検討への参加
  • 他  週1回の医局会・勉強会及び各科カンファレンスへの参加

内科での診療内容

外来は循環器,呼吸器,消化器,肝臓内科,糖尿病・内分泌内科,膠原病・リウマチなど内科をほぼ網羅した専門医が担当しており,地域からの紹介患者を中心に診療しています。循環器・糖尿病では,生活習慣病外来を行うとともに,様々な薬剤を用いた介入臨床試験をおこなっています。消化管内視鏡は,年間4500件程度,胃癌,大腸癌の内視鏡のみならず,大腸憩室出血や胃粘膜下腫瘍に対する先進的な診断・治療も行っています。肝臓内科は,月100件以上の腹部超音波検査を行いながら,多職種による院内肝疾患チームを立ち上げ,ウイルス肝炎に対する抗ウイルス治療や脂肪性肝疾患,肝硬変に至るまで幅広い肝疾患について多面的に診療を行っています。感染症の専門医および栄養管理の専門医も内科医として勤務しており,ICT,NSTによる診療科横断的な活動も行っています。

外科での診療内容

佐賀県西部医療圏の地域支援病院外科として,外傷,消化管,肝胆膵,乳腺などの領域で,初期の診断から,処置,手術,抗癌剤治療まで幅広く対応しています。年間手術症例数は240例程度で,おおよその内訳は,予定:緊急=8:2,良性:悪性=7:3,直視下:鏡視下=2:8です。

一般目標

プライマリケアに必要な外科領域の知識・技能の習得はもちろん,日常の診療で疑問を持ち,積極的に検索・研究・解決していく姿勢を身につけます。

行動目標
  1. 医師としての,基本姿勢について学ぶ。
  2. 初期対応としての問診・理学所見のとり方について学ぶ。
  3. 必要な検査・処置について,平易な言葉でその説明ができるようになる。
  4. 腹部・乳腺の超音波検査が施行でき,指導医のもと透視や内視鏡検査が行える。
  5. 手術適応と周術期管理について自ら考え,ディスカッションする。
  6. 手術に際して,対象臓器・局所の解剖・生理を理解し説明できる。
  7. 切開・縫合・止血・穿刺・生検・ドレナージ,手術を経験する。
  8. 抗癌剤の作用と副作用,投与方法について理解し説明できる。
  9. 緩和ケアにおける説明と症状マネジメント法の基本を学ぶ。
  10. 手術記録,退院サマリー,紹介状,報告書等を作成し,添削を受けることによって書類の作成について学ぶ。
  11. 医療行為におけるリスクと安全性確保について理解し実行できるようになる。
  12. 診療上の疑問点について,自ら情報を収集し,ディスカッションする事によって,診療の向上に生かし,解決しない問題についても認識する。
  13. 得られた知見について,研修会や学会などで発表し,社会と共有する。

脳神経内科での診療内容

脳血管障害,神経変性疾患(パーキンソン病,筋萎縮性側索硬化症,脊髄小脳変性症など),免疫性神経疾患(多発性硬化症,ギラン・バレー症候群など),てんかん等の症例の他に,慢性頭痛,めまいを主訴とする症例を対象に診療を行っています.診察室では正確な問診と神経学的診察の習得を目指します.診断に必要な画像読影と生理検査結果判定を習得することも重要です.超急性期から亜急性期を担当する脳血管障害の診療において,看護部,放射線科,リハビリ部門,栄養科,社会福祉士等との連携を理解することができます.慢性期脳血管障害・神経変性疾患症例の在宅療養環境を検討する際に,地域における医療・福祉連携を学ぶことができます。

脳神経外科での診療内容

主に,脳血管障害(脳梗塞,脳出血,クモ膜下出血),脊椎変性疾患,認知症,頭頸部外傷などの診療を行っています。脳卒中は救急疾患であると共に生活習慣病(高血圧,糖尿病など)のなれの果てと考えています。初期対応で如何に脳障害を最小限に抑えられるかが,患者さんとその家族の人生を大きく変えると考え,脳梗塞急性期のrt-PA静注療法や,外科的介入(脳血管内治療,鏡視下脳内血腫除去術など)を行っております。また,急性期の治療後,患者さん本人の脳卒中再発予防が重要であることは述べるまでもありませんが,同様の生活を送っている家族の脳卒中予防≒生活習慣病の予防も重要であると考えています。栄養士による食事指導から始まり,地域の医療機関と連携して生活習慣病の予防にも取り組んでいます。脊椎変性疾患は,腰痛,頸部痛,四肢の痺れ,麻痺等のために生活が困難となります。当脳外科では,日本脊髄外科学会認定医の元,患者の生活様式に合わせた運動・薬物療法を中心とした保存的加療から外科治療まで学ぶことができます。他疾患も,脳卒中,脊椎変性疾患と同様に患者さんの生活が,疾患の発生,治療後の予防,予後に大きく関わります。患者さんが生活する地域でこそできる医療を,指導医と共に院内・院外を駆け回ってもらい,学んでいただきたいと考えています。

整形外科での診療内容

変形性関節症,腰部脊柱管狭窄症,肩腱板断裂といった多くの変性疾患や,骨折などの外傷に対し保存治療,手術治療を行っております。整形外科研修においては,外来診療では,ひざ痛,腰痛,肩痛など日常診療で多く目にする症状を持つ患者や外傷患者の診察・診断・治療方針の決定など習得を目標とし,手術室・病棟診療では,整形外科手術における周術期管理,運動器リハビリテーションについて理解し,コメディカルスタッフと連携しながら患者一人ひとりの退院に向けてのゴール設定を行えるよう学んでいただきたいと考えています。