臨床研究・特定臨床研究

臨床研究(自主研究)・治験の違い

医学研究のうち、疫学研究および非臨床試験を除いたものが臨床試験です。大きく分けて下記の4種類あります。

  1. 臨床研究(自主研究)
  2. 企業主導の治験
  3. 製造販売後臨床試験
  4. 医師主導の治験

上記以外に、製造販売後調査が行われることがあります。



※しばしば混同して使用されているが、治験は臨床試験の一部ではあるが、治験=臨床試験ではない。
治験と臨床研究相違図
*新美美由紀ほか,臨床試験における看護婦のかかわり(前編)臨床試験を理解する,看護学雑誌, 62(1), 1998, p.48.
*臨床試験のABC(日本医師会).
*CRCテキストブック(医学書院).

Q.臨床研究(自主研究)とは

A.医薬品や治療法のエビデンスを構築することやより良い使用方法や治療方法を探索することを目的とする臨床試験
臨床研究については、現在のところ法的な規制はありませんが、臨床研究に関する倫理指針が厚生労働省から示されています。

Q.治験とは

A.医薬品の承認申請を目的とする臨床試験を「治験」と呼びます。治験および製造販売後臨床試験を実施するには、GCP省令(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令)という薬事法の中の基準を遵守し、その上で、倫理性・科学性・信頼性を確保していかなければなりません。そのため、通常の診療に加えて、厳密なデータおよびスケジュールの管理、併用薬・併用療法の制限、などが必要となります。そこで、治験の実施を円滑に実施するために、臨床研究センターのスタッフが支援しています。

Q.企業主導の治験とは

A.医薬品の承認申請を目的として企業が実施する臨床試験

Q.製造販売後臨床試験とは

A.医薬品の適正使用のために、通常診療の中で得られない情報を収集する企業主導の臨床試験

Q.医師主導の治験とは

A.医薬品の承認申請を目的として医師自らが実施する臨床試験

Q.製造販売後調査とは

A.医薬品の承認までに得られる有効性・安全性に関する情報は限られたものです。そこで、販売後の多様な使用例により得られる情報を収集、評価することによって副作用の拡大防止などをはかり、医薬品の適正使用の確保を目的に製造販売後調査が行われます。製造販売後調査には市販後直後調査、使用成績調査、特定使用成績調査があります。通常診療の中で介入をせずにデータを収集するため、臨床試験ではありません。