肝臓・糖尿病・内分泌内科

概要

 内科分野の中で、代謝の中枢を担う肝臓および胆・膵臓疾患、近年増加の一途をたどる糖尿病および内分泌疾患を主な担当分野とした診療科です。
 肝臓・胆膵グループはウイルス性肝炎の検査・抗ウイルス治療、非アルコール性脂肪肝炎(NonAlchoholic Steato Hepatitis:NASH)の診断・治療、肝硬変患者の合併症管理、肝がんの診断・治療などを主な業務としており、8人の肝臓専門医を中心に診療にあたっています。

肝臓・胆膵グループ
 ウイルス性肝炎の診断は肝生検を行わない非侵襲的な肝硬度測定も併用した肝炎の病態把握ができる体制にあります。治療に関してもC型肝炎ウイルスは治療前にウイルスの遺伝子変異を測定することにより、個々の患者様に一番適した治療薬で治療が可能となりました。 平成26年から認可されたインターフェロンフリー治療はすでに300例を越しており、副作用をほとんど認めず9割以上の患者様がウイルス排除を達成しております。
 NASHの診断・治療に関しては、全国でも先進的なNASH専門外来を設けております。NASHは肝臓と糖尿病・内分泌疾患との関連が深いとされ、肝臓専門医と糖尿病専門医、内分泌専門医が連携してきめの細かい診療を提供しております。 臨床研究及び基礎研究にも力を入れており、患者様一人ひとりの病態にあった方針で診療にあたります。
 肝がんの診断・治療は超音波、CT、MRIを併用して早期発見に努め、治療方針は定期的に開催している消化器外科、放射線科との合同カンファレンスで決定されます。専門性を持つ複数の科が一人ひとりの症例を検討することで、最先端かつ最も効果的な治療法が選択できる体制となっています。 肝臓移植手術は長崎大学や九州大学の移植外科等と連携しており、移植が望ましい症例は綿密に連絡を取って移植手術を提案しています。最先端の治療である重粒子線治療は鳥栖にあるSAGA-HIMATに治療を依頼しており、こちらも対象となる症例は随時治療の提案と紹介を行っております。
 当院は佐賀県の肝疾患診療連携拠点病院の指定を受けており、県内の診療レベルの均てん化及び向上に努めております。近年要望が高かったB型肝炎訴訟に対する専門外来を平成29年度から開設し、訴訟を検討されている方がスムーズに検査できる体制となっております。 また、佐賀県は肝がん粗死亡率が2000年以降ワースト1位となっており、病院内に肝疾患センターを設置して佐賀県と連携を取りながら公衆衛生の観点からも肝がん・肝炎対策に取り組んでいます。

 肝膵疾患については、近年増加している膵・胆道癌に対する早期発見を目指した画像診断、内視鏡診断を行っております。また、外科や腫瘍内科とも連携して化学療法や外科切除、さらには放射線治療など各科と連携を取りながら適切な治療法をお勧めできるように努めています。 また、小腸内視鏡を使用した術後再建腸管に対するERCP関連治療や、EUS-FNA手技を応用した膵のう胞ドレナージなど最新の治療にも取り組んでいます。

 関連病院として、佐賀県医療センター好生館、嬉野医療センター、唐津赤十字病院、済生会唐津病院、佐賀病院、伊万里有田共立病院、織田病院(鹿島市)、江口病院(小城市)、多久市立病院、高木病院(福岡県大川市)等に常勤医を派遣しており、地域の患者様の検査・治療がスムーズにおこなえるよう連携を図っています。
 
糖尿病・内分泌グループ
 糖尿病診療・療養指導については、下記の点について重点を置き、診療と療養指導を行っています。
  1.  1型糖尿病の強化インスリン療法・自己血糖測定指導
  2.  1型糖尿病のインスリンポンプ・カーボカウント指導
  3.  1型糖尿病合併妊娠
  4.  2型糖尿病の所に教育・療養指導
  5.  1型および2型糖尿病の合併症の加療:眼科との連携で糖尿病網膜症、腎臓内科との連携で糖尿病性腎症、心臓血管外科・形成外科などとの連携で動脈硬化性疾患、歯科・口腔外科との連携で歯周病
  6.  2型糖尿病合併妊娠
  7.  妊娠糖尿病
  8.  糖尿病教室
  9.  糖尿病療養指導士育成のためのLCDE講習会・認定試験
  10.  糖尿病療養指導士育成のための療養指導公開講座

 内分泌疾患診療については、ほとんどの内分泌疾患について、各科と連携し診療しています。
 1.下垂体疾患:脳神経外科との連携
 2.甲状腺疾患:腫瘍性甲状腺疾患における耳鼻咽喉科との連携
 3.副甲状腺疾患:耳鼻咽喉科との連携
 4.副腎疾患:泌尿器科との連携
 5.性腺疾患:産科婦人科との連携


主な対象疾患
肝臓疾患:ウイルス性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患、アルコール性肝疾患、自己免疫性肝疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎等)、遺伝性肝疾患(ウィルソン病等)、薬物性肝障害
 以上の急性肝炎(劇症肝炎を含む)、慢性肝炎、肝硬変、肝がん
胆嚢疾患:胆嚢結石、総胆管結石、胆嚢炎、胆管炎、胆嚢がん、胆管がん
膵臓疾患:急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がん、膵嚢胞性疾患
糖尿病疾患:1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、その他の糖尿病
内分泌疾患:下垂体疾患、甲状腺疾患。副甲状腺疾患、副腎疾患、性腺疾患、膵神経内分泌疾患、腫瘍性骨軟化症
その他:肝胆膵疾患を背景とした閉塞性黄疸、体質性黄疸

なお、当科では以下の検査・治療が可能です。
・B型肝炎に対する核酸アナログ製剤治療、インターフェロン治療
・C型肝炎に対するインターフェロンフリー治療
・非アルコール性脂肪肝に対する確定診断目的の腹腔鏡・肝生検検査
・診断困難の肝臓病に対する診断目的の腹腔鏡・肝生検検査
・肝腫瘍に対する造影超音波検査による質的診断
・肝機能評価のためのICG検査、RI検査(アシアロシンチグラフィー)
・肝がんに多雨するラジオ波焼灼術、エタノール注入療法
・肝がんに対する血管造影検査および化学塞栓療法
・肝がんに対するリザーバー埋め込みおよび抗がん剤持続動注療法
・肝がんに対する分子標的薬治療
・重症型急性肝炎・劇症肝炎に対する血漿交換療法
・胃食堂静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤結紮術、内視鏡的静脈瘤硬化療法
・胃食道静脈瘤に対するバルーン下逆行性経静脈的塞栓療法
・胆膵疾患に対する経皮的経カテーテル的胆嚢・胆管ドレナージ術
・胆膵疾患に対する内視鏡的逆行性胆管膵管造影および内視鏡的乳頭切開術
・胆膵疾患に対する超音波内視鏡および超音波内視鏡下穿刺吸引法
・悪性胆道狭窄に対する内視鏡的ステント留置術
・胆道がん・膵がんに対する化学療法

取得している各専門医・指導医の数

肝臓・胆膵グループ
専門医・指導医 人数
日本肝臓学会専門医者 8名
日本肝臓学会指導医 1名
日本消化器病学会専門医 9名
日本消化器病学会指導医 1名
日本消化器内視鏡学会専門医 4名
日本消化器内視鏡学会指導医 1名
日本超音波医学会専門医 2名
日本がん治療認定医機構暫定教育医 4名
日本医師会認定産業医 3名
糖尿病・内分泌グループ
専門医・指導医 人数
日本糖尿病学会専門医 3名
日本糖尿病学会指導医 2名
日本内分泌学会専門医 1名
日本内分泌学会指導医 1名
佐賀大学医学部附属病院
〒849-8501 佐賀市鍋島五丁目1番1号
TEL : 0952(31)6511(代表)/ 0952(34)3157(時間外)