「バイオバンク」は、患者さんが検査のために提供された血液や組織を取っておいて、検査技術の開発や治療法の開発のために有効利用しようとする取り組みです。ほとんどの病院では、検査のために預かった検体は、必要な検査を終えた後、組織の一部を除いてほとんど廃棄されています。これではせっかく患者さんが痛い思いをして提供された検体の価値が十分活かされたとは言えません。
当院では、保存された検体の情報から患者さん個人のプライバシーが侵害されないよう対策をとりつつ、将来の佐賀県の医療に貢献できるようなバイオバンクにするため最新の設備とシステムを作りました。そのひとつは、検体の出し入れや保管をロボットアームが自動で行うロボット倉庫を導入したことです。もう一点は、検体の出し入れを電子カルテの情報を見ながら操作できる自動化システムを独自に作り上げました。このような当院のバイオバンクシステム は日本初の先進的な取り組みです。
メディカルバイオバンクセンターでは各診療科と連携をして検体の保管を行っております。
研究課題名 | 診療科 | 研究責任者 |
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肺がんの発症の原因となる遺伝子の研究 | 呼吸器内科 | 荒金尚子 |
遺伝的素因に基づく心房細動アブレーション後の長期的予後と予測因子の評価(FUTURE-AF Study) | 先進不整脈治療学講座 | 山口尊則 |
心房筋生検による心房細動基質の組織学的評価(HEAL-AF Study) | 先進不整脈治療学講座 | 山口尊則 |
心房筋生検による心房細動基質の組織学的評価2(HEAL-AF Study2) | 先進不整脈治療学講座 | 山口尊則 |
脊椎手術患者における骨代謝関連マーカー | 整形外科 | 吉原智仁 |
非心房細動患者における辛抱心筋症の組織学的評価(HISTORY Study) | 先進不整脈治療学講座 | 山口尊則 |
左心耳閉鎖術を要する心房細動症例の心房筋生検により心房細動基質の組織学的評価(LEARNMORE study) | 先進不整脈治療学講座 | 山口尊則 |