本学は各診療科間の情報交換が容易なため、診断、治療における横断的協力体制が速やかにとれ、患者さんには理想的な医療を提供することができます。
婦人科部門では悪性腫瘍を中心とした婦人科腫瘍の診断・治療、および治療後の経過観察を行っています。
中でも子宮頸癌治療に重きを置いており、進行子宮頸癌治療に先進的治療を行っています。
一方、子宮頸部初期病変の治療には半導体レーザーを用いた保存的治療を行っています。また早期の子宮体癌に対しては、腹腔鏡下手術やロボット支援下手術を導入しています。
悪性腫瘍に対する化学療法は、癌薬物療法専門医の資格を有する婦人科医師が担当し、適切な治療法の選択、患者さん一人一人に寄り添った治療を心がけています。
良性疾患に対する腹腔鏡下手術やロボット支援下手術も実施しており、過多月経に対するマイクロ波子宮内膜アブレーションを実施しています。
産科部門は小児科NICUと協力してハイリスク妊娠症例の受け入れに対応し、佐賀県の周産期医療において中心的役割を担っています。
こうした努力の結果、佐賀県は全国でもトップクラスの低い周産期死亡率を維持しています。また、国立病院機構佐賀病院、佐賀県医療センター好生館と連携し、それぞれの特徴を生かし役割分担を明確にすることで幅広い疾患への対応を可能にしています。
また、ローリスク妊婦の受け入れも積極的に行い、高次医療機関である特色を生かして、より安全な分娩管理を提供するように努めています。
婦人科悪性腫瘍としては、子宮頸癌を筆頭に、子宮体癌、卵巣癌、卵管癌、外陰癌、絨毛性疾患を取り扱っています。
良性疾患としては子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、良性卵巣腫瘍が主なものです。その他、骨盤腹膜炎、附属器炎、といった細菌感染症とともに、クラミジア、単純ヘルペスウイルス、パピローマウイルスなどによる性感染症も取り扱っています。
産科領域ではローリスク妊娠の他、妊娠合併症(異所性妊娠、妊娠高血圧症候群、切迫流早産、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、多胎妊娠など)、胎児異常(胎児発育不全、胎児形態異常など)、他科疾患合併妊娠、集中管理を必要とする妊娠・産褥症例等を取り扱っています。
当院は脳神経外科や泌尿器科の小児疾患を専門とする医師を有するため、該当する胎児形態異常例の紹介も受け入れています。
早産症例については、妊娠28週以上の症例を中心に管理し、それ未満の症例は関連病院と連携して診療を行っています。
また、臨床遺伝専門医の資格を有する産科医が在籍しており、妊娠・出産に関する遺伝相談にも適宜対応しています。
専門医・指導医 | 人数 |
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日本産科婦人科学会・専門医 | 10名 |
日本産科婦人科学会・指導医 | 3名 |
日本臨床細胞学会・細胞診専門医 | 3名 |
日本臨床細胞学会・細胞診指導医 | 3名 |
日本婦人科腫瘍学会・婦人科腫瘍専門医 | 2名 |
日本婦人科腫瘍学会・婦人科腫瘍指導医 | 2名 |
日本がん治療認定医機構・認定医 | 5名 |
日本がん治療認定医機構・指導医 | 3名 |
日本周産期新生児医学会・専門医 | 2名 |
臨床遺伝専門医 | 1名 |