ハートセンター

概要

 生活様式の欧米化によって、生活習慣病が増えるとともに、動脈硬化による心臓・血管の病気は増加の一途にあります。また超高齢化社会を迎え、心不全患者さんが大幅に増加する心不全パンデミックが起こると言われています。
 平成20年度より、循環器内科と胸部心臓血管外科の協力のもと、循環器疾患の診療をより効率良く快適に提供するために、心臓血管疾患を総合的に診療するハートセンターを設立しました。このセンターでは内科系・外科系医師の垣根をはずして、迅速な正確な診断、患者さんにとっての最善の治療を展開できるような体制を整えています。センターには日本循環器学会、日本心血管 インターベンション学会、日本内科学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会の専門医・ 指導医が配属されており、患者様が安心して治療を受けられる医療水準の維持、向上を心掛けております。
 ハートセンターでは、心臓と血管の病気に関わる最先端の診断、治療、予防を目的に、循環器内科や心臓血管外科、麻酔科及び小児科の医師だけでなく、看護師、薬剤師、臨床工学士、臨床検査技師、運動療法士、管理栄養士などのコメディカルスタッフがこれまで以上に綿密に連携して、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供するべく、日々努力を重ねています。

取り扱っている主な疾患

・心不全 
さまざまな病気により心不全を来すため、原因疾患の治療とともに、チームで連携した心不全治療への介入を行っています。

・不整脈
内服治療に加え、カテーテルアブレーションを行っています。心臓手術の際には外科的にアブレーションを追加することもあります。

・心臓弁膜症
高齢化とともに増加している疾患です。外科的な開胸手術に加え、近年はカテーテルで行う弁膜症治療も増えており、大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁留置術、僧帽弁閉鎖不全症に対する経皮的僧帽弁接合不全修復システム(Mitraclip(マイトラクリップ)®)といった治療を行っています。

・先天性心疾患
内科・外科・小児科で連携して、成人の先天性心疾患患者さんの診療にあたっています。

・大動脈・末梢動脈疾
内科・外科が連携して、保存的治療から手術まで一貫して診療にあたっています。また、末梢動脈疾患においては、形成外科とも協働しています。

特色

 循環器疾患にはさらに、心不全、不整脈、弁膜症、心筋症、先天性心疾患や大動脈・末梢動脈疾患など、心臓から末梢血管まで様々な病態があり、それぞれの疾患に合った診断や治療を適切に行う必要があります。
 たとえば、急性心筋梗塞では、救急室での初期治療から心臓カテーテル治療、集中治療室、一般病棟での治療、心臓リハビリテーション、そして外来治療までの連続した診療のプロセスを病状に合わせて進めていきます。